1-12:Truth
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それは見事に研究員の太腿に刺さった。
「くっ…」
研究員が態勢を崩し、ヒロインがずるりと研究員の腕から滑り落ちた。
そこに走り込んでいたレノがヒロインを受けとめる。
「くそっ!」
短剣を引き抜き、それを地面に叩きつけた研究員が憎々しげに顔を歪めた。
「殺してやる!殺してやる!!」
甲高い声で叫んだ研究員はクエイガを唱えた。
「バッ…やめろ!」
この状態でそんなことをしたら――
地面が大きく揺れた。
何とか崩落を免れていた壁や天井が、地盤から伝わった揺れによってぱらぱらと細かい石の雨を降らし始めた。
レノの不安は的中し、ドーン!という心臓に直接響くような激しい音とともに、一塊の岩がすぐ近くに降った。
「くそっ!」
手を上げて飛び散る破片からヒロインを庇いながら、レノは舌打ちした。
次第に身体に力が入らなくなっている。
今の本調子ではない身体では、完全に身体の自由を奪われたヒロインを抱えていくのは不可能に近かった。
「動けませんか?」
レノは上を見上げ、相手を睨んだ。
既に笑顔すらない研究員が無言で近くの石を手にし、それをレノに向かって振り下ろした。
(殺られる――!)
「レノ、屈め!」
はっとしたレノはヒロインの頭を押さえ、身を屈めた。
びしゃっ!
人の肉が裂ける音、それに続いて血が地面に落ちる音がした。
レノが顔を上げると、研究員が仰向けに倒れていた。
血振りをしていたザックスがレノに振り返る。
「悪ぃな、助かったぞ、と」
ふーっと息をついたレノは、スーツに付いた砂埃を手で払い落とした。
「貸し1な」
「あぁ」
研究員は動かない。
これで全て終わった。
レノは痺れる腕の中のヒロインを見た。
薬がまだ抜けないのか、ヒロインは口元だけでぎこちなく笑った。
「さ、早く出ようぜ」
降り注ぐ岩の勢いは激しさを増していた。
急がなければならないようだ。
ザックスが先頭に立ち、背にヒロインをおぶったレノがその後に続いた。
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「くっ…」
研究員が態勢を崩し、ヒロインがずるりと研究員の腕から滑り落ちた。
そこに走り込んでいたレノがヒロインを受けとめる。
「くそっ!」
短剣を引き抜き、それを地面に叩きつけた研究員が憎々しげに顔を歪めた。
「殺してやる!殺してやる!!」
甲高い声で叫んだ研究員はクエイガを唱えた。
「バッ…やめろ!」
この状態でそんなことをしたら――
地面が大きく揺れた。
何とか崩落を免れていた壁や天井が、地盤から伝わった揺れによってぱらぱらと細かい石の雨を降らし始めた。
レノの不安は的中し、ドーン!という心臓に直接響くような激しい音とともに、一塊の岩がすぐ近くに降った。
「くそっ!」
手を上げて飛び散る破片からヒロインを庇いながら、レノは舌打ちした。
次第に身体に力が入らなくなっている。
今の本調子ではない身体では、完全に身体の自由を奪われたヒロインを抱えていくのは不可能に近かった。
「動けませんか?」
レノは上を見上げ、相手を睨んだ。
既に笑顔すらない研究員が無言で近くの石を手にし、それをレノに向かって振り下ろした。
(殺られる――!)
「レノ、屈め!」
はっとしたレノはヒロインの頭を押さえ、身を屈めた。
びしゃっ!
人の肉が裂ける音、それに続いて血が地面に落ちる音がした。
レノが顔を上げると、研究員が仰向けに倒れていた。
血振りをしていたザックスがレノに振り返る。
「悪ぃな、助かったぞ、と」
ふーっと息をついたレノは、スーツに付いた砂埃を手で払い落とした。
「貸し1な」
「あぁ」
研究員は動かない。
これで全て終わった。
レノは痺れる腕の中のヒロインを見た。
薬がまだ抜けないのか、ヒロインは口元だけでぎこちなく笑った。
「さ、早く出ようぜ」
降り注ぐ岩の勢いは激しさを増していた。
急がなければならないようだ。
ザックスが先頭に立ち、背にヒロインをおぶったレノがその後に続いた。
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