1-12:Truth
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危険がないことを確認し、地上階へと上がった3人は真っ直ぐ出口を目指した。
その間も研究員の妨害は一切なく、それがレノには不気味に感じられた。
「それにしてもお前、これからどうすんだよ」
「あぁ…ま、何とかなるぞ、と」
ヒロインを助けることに精一杯で、その後のことを一切考えていなかったレノは気楽に笑った。
ザックスが呆れ顔を作ったが、レノは全く気に留めない。
後ろを歩くヒロインに話を振ろうと首を向けた。
「なぁヒロイン…‥ヒロインっ!」
ヒロインが胸元を押さえ、苦しそうな声を洩らしていた。
急に声の調子を変えたレノに驚き、ザックスも振り返る。
収まったかに見えていた魔力の靄が、弱々しくはあったが、再びヒロインから溢れ出す。
今にもその場に倒れそうなヒロインを支えようと腕を伸ばしたレノに、ヒロインが悲鳴混じりに叫んだ。
「ダメ!来ないで!!」
冷や汗を垂らしながらも、何とか暴走しかけている力を内に押さえ込もうとしているかに見えた。
二人が固唾を飲んでヒロインを見守っていると、目指していた出口の方から狂ったような笑い声が聞こえてきた。
もう聞きたくないと思っていた声を耳にし、レノの眉間に深い皺が刻まれる。
「いい様ですね」
いくつもの銃創を作った研究員が、左足を引きずりながら近づいてきた。
「おい研究員、お前ならヒロインちゃん助けられるんだろ?なら――」
「言って聞くような奴かよ!」
馬鹿丁寧に頼み込もうとしたザックスを遮り、レノは言うが早いか研究員に向かって走りだした。
「これ、何かわかります?」
研究員がいつものにやにや笑いを顔に張り付け、顔の前に試験管を掲げ持った。
透明な液体がたっぷり入ったそれを目にしたレノは、あと一歩で研究員に届くかというところで止まった。
「ジェノバ細胞を再び眠らせる薬です。これでヒロインは助かります」
ヒロインが助かる。
こんな喜ばしいことはないが、レノは到底研究員が見返りなしにそれを渡すとは思えなかった。
「条件は?」
.
その間も研究員の妨害は一切なく、それがレノには不気味に感じられた。
「それにしてもお前、これからどうすんだよ」
「あぁ…ま、何とかなるぞ、と」
ヒロインを助けることに精一杯で、その後のことを一切考えていなかったレノは気楽に笑った。
ザックスが呆れ顔を作ったが、レノは全く気に留めない。
後ろを歩くヒロインに話を振ろうと首を向けた。
「なぁヒロイン…‥ヒロインっ!」
ヒロインが胸元を押さえ、苦しそうな声を洩らしていた。
急に声の調子を変えたレノに驚き、ザックスも振り返る。
収まったかに見えていた魔力の靄が、弱々しくはあったが、再びヒロインから溢れ出す。
今にもその場に倒れそうなヒロインを支えようと腕を伸ばしたレノに、ヒロインが悲鳴混じりに叫んだ。
「ダメ!来ないで!!」
冷や汗を垂らしながらも、何とか暴走しかけている力を内に押さえ込もうとしているかに見えた。
二人が固唾を飲んでヒロインを見守っていると、目指していた出口の方から狂ったような笑い声が聞こえてきた。
もう聞きたくないと思っていた声を耳にし、レノの眉間に深い皺が刻まれる。
「いい様ですね」
いくつもの銃創を作った研究員が、左足を引きずりながら近づいてきた。
「おい研究員、お前ならヒロインちゃん助けられるんだろ?なら――」
「言って聞くような奴かよ!」
馬鹿丁寧に頼み込もうとしたザックスを遮り、レノは言うが早いか研究員に向かって走りだした。
「これ、何かわかります?」
研究員がいつものにやにや笑いを顔に張り付け、顔の前に試験管を掲げ持った。
透明な液体がたっぷり入ったそれを目にしたレノは、あと一歩で研究員に届くかというところで止まった。
「ジェノバ細胞を再び眠らせる薬です。これでヒロインは助かります」
ヒロインが助かる。
こんな喜ばしいことはないが、レノは到底研究員が見返りなしにそれを渡すとは思えなかった。
「条件は?」
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