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ヒロイン
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まだ麻酔が効いて眠っているかもしれない、とツォンに聞いていたので、ヒロインは静かに病室に入った。
近くの丸椅子を引き寄せ、ベッドの脇に座る。
静かに、しかししっかりと呼吸して眠るレノを見て、ヒロインはほっと胸を撫で下ろす。
「生きててよかった…」
血が通ったレノの手を両手で包み、その温かさを感じると、自然と涙が零れてきた。
「もう…心配させないでよ……レノが死んじゃったら私…私…っ」
「縁起でもないこと…言うなよ、と」
「れ、レノ!?」
驚いて顔を上げたヒロインと、不敵に笑うレノの目が合った。
「お、起きてたの…?」
「まぁな」
聞かれていたと知ったヒロインの顔は一瞬にして真っ赤になり、それを見てレノがいつものようにククク、と喉を鳴らして笑った。
「もう!心配したんだからね!」
ヒロインもいつもどおり、強い口調で言ったが、ぽろぽろ涙が自然と零れる。
「泣くな。いつものヒロインはどこ行ったんだ?」
レノはまだ力が入らない腕を必死に伸ばし、ヒロインの頬を伝う涙を拭ってやる。
「不安にさせたか?」
ヒロインは小さく首を振った。
レノは優しく微笑んで、ヒロインの髪を撫でた。
「レノ様としたことが、ドジっちまったな、と」
笑って腹に力が入ったせいで傷に障り、レノは顔をしかめた。
「あー、こんな調子じゃヒロインとエッチできないぞ、と」
「いい機会だから我慢したら?」
泣き止んだヒロインが冷たくレノに言う。
「ヒロイン、口で「死んでしまえ」
「それが怪我人に言う台詞か…」
いつものように他愛無い会話ができることが、どれだけ幸せかわかった気がする。
だからちゃんと帰ってきて。
私はずっとあなたを待っているから。
END
2005/07/15
.
近くの丸椅子を引き寄せ、ベッドの脇に座る。
静かに、しかししっかりと呼吸して眠るレノを見て、ヒロインはほっと胸を撫で下ろす。
「生きててよかった…」
血が通ったレノの手を両手で包み、その温かさを感じると、自然と涙が零れてきた。
「もう…心配させないでよ……レノが死んじゃったら私…私…っ」
「縁起でもないこと…言うなよ、と」
「れ、レノ!?」
驚いて顔を上げたヒロインと、不敵に笑うレノの目が合った。
「お、起きてたの…?」
「まぁな」
聞かれていたと知ったヒロインの顔は一瞬にして真っ赤になり、それを見てレノがいつものようにククク、と喉を鳴らして笑った。
「もう!心配したんだからね!」
ヒロインもいつもどおり、強い口調で言ったが、ぽろぽろ涙が自然と零れる。
「泣くな。いつものヒロインはどこ行ったんだ?」
レノはまだ力が入らない腕を必死に伸ばし、ヒロインの頬を伝う涙を拭ってやる。
「不安にさせたか?」
ヒロインは小さく首を振った。
レノは優しく微笑んで、ヒロインの髪を撫でた。
「レノ様としたことが、ドジっちまったな、と」
笑って腹に力が入ったせいで傷に障り、レノは顔をしかめた。
「あー、こんな調子じゃヒロインとエッチできないぞ、と」
「いい機会だから我慢したら?」
泣き止んだヒロインが冷たくレノに言う。
「ヒロイン、口で「死んでしまえ」
「それが怪我人に言う台詞か…」
いつものように他愛無い会話ができることが、どれだけ幸せかわかった気がする。
だからちゃんと帰ってきて。
私はずっとあなたを待っているから。
END
2005/07/15
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