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ヒロイン
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レノが…重体……
そうツォンから告げられた瞬間に、目の前が真っ暗になった。
頭が真っ白で何も考えられない。
どうしよう…
どうしたら…
最悪の結果だけが思い浮かぶ。
ツォンのあとの話は全く頭に入らなかった。
遠くから声が聞こえたような気もした。
レノ――!
しばらくして、ツーツーという電話が切れた音で我に返った。
「行かなきゃ…」
ふらふらと立ち上がって、適当に身仕度を整えて家を出た。
「ヒロイン」
マンションのエントランスを出たところで、聞き慣れた声にヒロインは足を止めた。
「ルード…」
「乗れ」
ルードは短く言うと、ヒロインのために助手席のドアを開けた。
ヒロインは駆け足で乗り込み、ルードにお礼を言った。
お互い特に会話もなく、静寂の中、車は病院に向かう。
その間ずっと、ヒロインは逸る気持ちを押さえ、窓から外を眺めていた。
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