女の細い首にかけた手に力を込めた。


　自分の身体の下に組み敷いている女を見る。



　口の端を釣り上げ、女は笑った。






「愛してる」






　空気が漏れるのに混ざって、不明瞭な言葉を吐いた。


　しかし、はっきりとした口の動きから、レノはそれを理解する。

　憎々しげに顔を歪め、さらに力を込めた。






　女の瞳が陰り、一筋涙が流れた。










　たった今事切れた女のその横。



　疾うに冷たくなった女性の身体を、レノはきつく抱いた。



「ヒロインっ…」








　あなたが悪いのよ。

　ヒロインばかりで、私に見向きもしないから。



　だから、私の言葉であなたを縛らせて。






「愛してる、レノ」





　これでもう


　あなたは私の物。



END


2005/06/28


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