はい？

　あまりに突拍子のない提案に、私は目を丸くしてレノを見た。

　レノの目は笑ってない。
　いつになく真剣に私の方を見てくる。


　私は打つ手を止めて、レノに向き直った。

「本気で言ってんの？」

「本気だぞ、と」


　バカね。
　でも、悪くないかもね。
「もし私が勝ったら、二度と付きまとわないで」

「わかったぞ、と」


　私は店員さんを呼んで、レノに一箱渡してもらった。


「俺、こういう勝負負けたことないんだぞ、と」

　再び打ち始めた私は、はいはい、とだけ相槌を打って画面に集中した。



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