「あーっ！もう止めた！」

　ちらっと横目で隣に座る男を見る。
　最後の玉は、呆気なく落ちていった。

　この男はレノと言う。
　何ヵ月か前に、他のパチンコ屋で偶然隣同士になった。
　それだけの縁なのに、それ以来しつこく付きまとわれている。

　店を変えても、気が付けば隣に座っている。
　ここまできたら、ただのストーカーだ。


　私の打つ台の画面が激しく点滅した。
　打つ手を休め、画面を見守ると、見事に７が３つ揃った。


　隣で一緒になって画面を見ていたレノに、勝ち誇った笑みを浮かべた。
　レノは面白くなさそうに口を尖らせ、タバコに火を点けた。



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