旧拍手小説集
ヒロイン
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サプライズ
サプライズは嫌いだ。するのもされるのも、大抵、ロクな結果にならないからだ。
ただその日は浮かれていて、どうしてもレノに会って伝えたくて、軍用機に同乗してジュノンからミッドガルに飛んだ。
その日の夜、チャットでレノの仕事が終わったことを確認してから、私は数回行っただけの記憶を頼りにレノの自宅に向かった。
エレベーターに乗ってマンションの上層に上がり、私はレノの自宅の扉前で一度大きく深呼吸をした、レノは喜んでくれるだろうか。私がジュノンからミッドガルに転勤になったことを。
少し緊張しながら、インターホンを押した。
中と通話が繋がる前に、玄関の扉が開いた。
「はーい」
出てきたのは、若い女性だった。小柄で童顔で、露出の多い服から伸びる手足は細く、そして大きく開いた胸元にはバッチリ谷間ができている。自分にないものを全部持っている彼女を見ていると、コンプレックスが刺激された。
「えっと…ピザの宅配?違う?」
私が言葉に詰まっていると、リビングに繋がる扉が開いた。
「手伝うぞ、と――」
現れたのはレノだった。そして、私を見たその顔が思い切り引き攣る。そこで、私は全てを理解した。
「仕事のこと、伝えようかと思ったんだけど…邪魔みたいだから帰る」
辛うじてその場で泣くことだけはこらえて、私は無理矢理なんでもないふりをして笑ってレノの自宅を後にした。
何年も遠距離で、会えるのは月によくて1回。むしろそんな関係でよく続いているものだ、と疑問を持つべきだったのだ。レノにはミッドガルに彼女がいて、私は浮気相手。
やっぱり、サプライズは嫌いだ。
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サプライズは嫌いだ。するのもされるのも、大抵、ロクな結果にならないからだ。
ただその日は浮かれていて、どうしてもレノに会って伝えたくて、軍用機に同乗してジュノンからミッドガルに飛んだ。
その日の夜、チャットでレノの仕事が終わったことを確認してから、私は数回行っただけの記憶を頼りにレノの自宅に向かった。
エレベーターに乗ってマンションの上層に上がり、私はレノの自宅の扉前で一度大きく深呼吸をした、レノは喜んでくれるだろうか。私がジュノンからミッドガルに転勤になったことを。
少し緊張しながら、インターホンを押した。
中と通話が繋がる前に、玄関の扉が開いた。
「はーい」
出てきたのは、若い女性だった。小柄で童顔で、露出の多い服から伸びる手足は細く、そして大きく開いた胸元にはバッチリ谷間ができている。自分にないものを全部持っている彼女を見ていると、コンプレックスが刺激された。
「えっと…ピザの宅配?違う?」
私が言葉に詰まっていると、リビングに繋がる扉が開いた。
「手伝うぞ、と――」
現れたのはレノだった。そして、私を見たその顔が思い切り引き攣る。そこで、私は全てを理解した。
「仕事のこと、伝えようかと思ったんだけど…邪魔みたいだから帰る」
辛うじてその場で泣くことだけはこらえて、私は無理矢理なんでもないふりをして笑ってレノの自宅を後にした。
何年も遠距離で、会えるのは月によくて1回。むしろそんな関係でよく続いているものだ、と疑問を持つべきだったのだ。レノにはミッドガルに彼女がいて、私は浮気相手。
やっぱり、サプライズは嫌いだ。
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