旧拍手小説集
ヒロイン
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聖夜の願い事1
「ありがとう!今度奢るね」
後輩の女の子は嬉しそうに笑って任務に出かけていった。
その後姿を見送っていると、視界に赤髪の男が入り込んできた。
満面の笑みを浮かべ、こちらにやってくる。
そういうとき、この男――レノは必ず『お願い』をしにくると相場が決まっていた。
「なぁ、ヒロイン。お願いがあるんだけどよ」
「クリスマスの任務変わってほしいとか?」
最近、レノに新しい彼女ができたと風のうわさで聞いていたから、そのお願いは容易に想像がついた。
案の定、レノはその通りだと言った。
「残念。先約ありだから無理」
そっけなく言うと、レノはつまらなそうな顔をした。
「何だよ、彼氏できたのか?」
「後輩の子と交代した」
「…なるほどな」
レノはにやにやと笑っていた。
「何その顔」
「オレと一緒にクリスマスの任務に行きたいのかと思っただけだぞ、と」
私は思わず顔をしかめた。
予定がないから変わってもいいかと思ったが、組む相手を確認していなかった。
よりにもよってこの男とは。
「…自意識過剰すぎ」
「せっかくクリスマス二人きりだろ?任務終わったら一緒に――」
「彼女、いるんでしょ」
レノは肩を竦めた。
「セフレなら」
「あっそ」
本当にこの男は、付き合っていた頃から何も変わっていない。
よくよく考えると、付き合っていたのかも怪しい。
セフレの一人だったと言われたほうがしっくりくる。
結局、キスとセックス以外は恋人らしいことは何もせずに、レノの浮気が原因で別れてしまった。
今もまだ懲りずにセフレを囲っているなら、別れて正解だったのだろう。
今年も憂鬱なクリスマスになりそうだ。
To be continued...
.
「ありがとう!今度奢るね」
後輩の女の子は嬉しそうに笑って任務に出かけていった。
その後姿を見送っていると、視界に赤髪の男が入り込んできた。
満面の笑みを浮かべ、こちらにやってくる。
そういうとき、この男――レノは必ず『お願い』をしにくると相場が決まっていた。
「なぁ、ヒロイン。お願いがあるんだけどよ」
「クリスマスの任務変わってほしいとか?」
最近、レノに新しい彼女ができたと風のうわさで聞いていたから、そのお願いは容易に想像がついた。
案の定、レノはその通りだと言った。
「残念。先約ありだから無理」
そっけなく言うと、レノはつまらなそうな顔をした。
「何だよ、彼氏できたのか?」
「後輩の子と交代した」
「…なるほどな」
レノはにやにやと笑っていた。
「何その顔」
「オレと一緒にクリスマスの任務に行きたいのかと思っただけだぞ、と」
私は思わず顔をしかめた。
予定がないから変わってもいいかと思ったが、組む相手を確認していなかった。
よりにもよってこの男とは。
「…自意識過剰すぎ」
「せっかくクリスマス二人きりだろ?任務終わったら一緒に――」
「彼女、いるんでしょ」
レノは肩を竦めた。
「セフレなら」
「あっそ」
本当にこの男は、付き合っていた頃から何も変わっていない。
よくよく考えると、付き合っていたのかも怪しい。
セフレの一人だったと言われたほうがしっくりくる。
結局、キスとセックス以外は恋人らしいことは何もせずに、レノの浮気が原因で別れてしまった。
今もまだ懲りずにセフレを囲っているなら、別れて正解だったのだろう。
今年も憂鬱なクリスマスになりそうだ。
To be continued...
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