旧拍手小説集
ヒロイン
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彼の隣、彼女の隣 5
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※1、2、4は短篇を御覧ください。
※3はP51を御覧ください。
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ヒロインに休日は何をしているのかと尋ねると、「映画かゲーム」と答えが返ってきた。非現実的な世界に没頭するのが好きらしい。
余暇の過ごし方としては、極めて健全だ。
「レノさんは、お休みのときに何をしてるんですか?」
「オレか?オレは――」
過去の休日を思い返すと、女とヤッてるぐらいしか思い出せなかった。
それを言ってしまうとヒロインに嫌われそうなので、寝てるとぼかしておいた。
「じゃあ、今日は一緒に映画見ませんか?見たい映画あるんですけど、一人じゃ怖くて…」
快諾すると、ヒロインは嬉しそうに笑って、リビングの大きなテレビを付けた。
映画を見る準備をヒロインが整え、オレはヒロインと並んでソファに座った。
もちろん、少し距離を開けて。
ヒロインが選んだ映画は、ホラーアクション物だった。
ゾンビに追っかけられながら、ビルの脱出を目指す話らしい。
それにしても、最近の映画はよくできている。
血の出方もリアルだし、銃の構えなんかも現実に近い。多少は映画向けに脚色されているが。
(これ、音すげえな)
映画好きなだけあって、音響にもこだわっているのだと、映画が始まる前にヒロインが言っていた。
確かに、映画館で見ているのに近い迫力だ。
特に低音は腹に響く。
ちらりと横目でヒロインを見ると、画面を食い入るように見ていた。
こんなに真剣になって、可愛すぎるぞ、と。
物語はクライマックス。
もうすぐ脱出というところだが…
(これ絶対、最後に何か出てくる奴だな…)
冷静にそんなことを考えながら見ていると、映画は予想どおりの展開を迎え。
『ぎゃああああああああ』
「いやああああああああ」
「うお!」
ゾンビの奇声とヒロインの悲鳴が重なり、突然横から聞こえた悲鳴でオレが驚く。
「…いくらなんでも、驚きすぎだぞ、と」
映画よりもヒロインの悲鳴の方にびっくりした。
「…ごめんなさい。でも、すっごくびっくりして…あんなの反則…」
ヒロインは真っ赤な顔で、半泣きになりながら言った。
映画の内容よりも、ヒロインのリアクションの方が面白かった、というのは黙っておいた。
今度、もっと怖いホラー映画探して、誘ってみようか。
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※1、2、4は短篇を御覧ください。
※3はP51を御覧ください。
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ヒロインに休日は何をしているのかと尋ねると、「映画かゲーム」と答えが返ってきた。非現実的な世界に没頭するのが好きらしい。
余暇の過ごし方としては、極めて健全だ。
「レノさんは、お休みのときに何をしてるんですか?」
「オレか?オレは――」
過去の休日を思い返すと、女とヤッてるぐらいしか思い出せなかった。
それを言ってしまうとヒロインに嫌われそうなので、寝てるとぼかしておいた。
「じゃあ、今日は一緒に映画見ませんか?見たい映画あるんですけど、一人じゃ怖くて…」
快諾すると、ヒロインは嬉しそうに笑って、リビングの大きなテレビを付けた。
映画を見る準備をヒロインが整え、オレはヒロインと並んでソファに座った。
もちろん、少し距離を開けて。
ヒロインが選んだ映画は、ホラーアクション物だった。
ゾンビに追っかけられながら、ビルの脱出を目指す話らしい。
それにしても、最近の映画はよくできている。
血の出方もリアルだし、銃の構えなんかも現実に近い。多少は映画向けに脚色されているが。
(これ、音すげえな)
映画好きなだけあって、音響にもこだわっているのだと、映画が始まる前にヒロインが言っていた。
確かに、映画館で見ているのに近い迫力だ。
特に低音は腹に響く。
ちらりと横目でヒロインを見ると、画面を食い入るように見ていた。
こんなに真剣になって、可愛すぎるぞ、と。
物語はクライマックス。
もうすぐ脱出というところだが…
(これ絶対、最後に何か出てくる奴だな…)
冷静にそんなことを考えながら見ていると、映画は予想どおりの展開を迎え。
『ぎゃああああああああ』
「いやああああああああ」
「うお!」
ゾンビの奇声とヒロインの悲鳴が重なり、突然横から聞こえた悲鳴でオレが驚く。
「…いくらなんでも、驚きすぎだぞ、と」
映画よりもヒロインの悲鳴の方にびっくりした。
「…ごめんなさい。でも、すっごくびっくりして…あんなの反則…」
ヒロインは真っ赤な顔で、半泣きになりながら言った。
映画の内容よりも、ヒロインのリアクションの方が面白かった、というのは黙っておいた。
今度、もっと怖いホラー映画探して、誘ってみようか。
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