担当は金曜日
ヒロイン
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勇気を出して想いを伝えて、OKをもらったときは天にも昇る心地だった。
うれしい。
これからは毎日一緒にいられる。
そんな私の舞い上がった気持ちは、一瞬で地面に叩きつけられる。
「これから会うのは金曜にしようぜ」
理由は聞かなかった。いや、聞けなかった。
レノの彼女になれるなら…そう思って、私は頷くしかなかった。
Friday 19:00
ヒロインはいつもの店で先に飲み始めていた。
レノに告白してから1ヶ月が経った。
つまり、恋人として会うのは今日で4回目。
(今日も遅刻、か…)
ヒロインは一気にジョッキを傾けた。
金曜以外は簡単なメッセージアプリでのやり取りだけ。電話はしたことがない。
会社でも一切顔を合わせない。
この状態は、付き合っていると言えるのだろうか。
「これじゃ、前と変わらないじゃん…」
ヒロインは盛大に溜息をついた。
飲み友だった頃の方がよかったかもしれない。
あの頃は悩みなどなかったが、今では悩みだらけだ。
キスもしてない、セックスもしていない。
毎週もしかしたらと思い、それなりの下着で来るのもバカバカしくなってきた。
「帰ろう、かな…」
1ヶ月前はあんなに盛り上がっていた想いも、今では種火になってしまった。
来週も遅刻してきて、一晩一緒に過ごせないなら――
ヒロインは滲んできた涙を零すまいと、少し上を向いた。
そして、大きく息をつくと伝票を持って立ち上がった。
Friday 20:30
店を出たところで、レノに帰ると連絡しようとする前に会社携帯が鳴った。
見なければよかったと思いつつ、ヒロインは電話に出た。
「…はい」
不機嫌な声で応答したが、相手は一方的に要件を告げた。相当慌てているようだ。
それもそのはずだった。
「は?トラブル?サーバ止めた?バカなの?」
ヒロインは頭を押さえた。酔いが一気に冷める。
「てか、私もう飲んでるんだけど…うん、3杯。行っても役に立たないと思うけど?他にいないの?」
相手は今にも号泣しそうだったが、ヒロインは強い口調を崩さなかった。
泣きたいのはこっちだ。
「一気飲みして倒れて病院?バカか」
ヒロインは電話越しでもわかるように盛大に溜息をついて言った。
「わかった、行く。1時間ぐらいで着くと思うから」
損な役回りだと思ったが、帰るには当たり障りのないいい理由ができたかもしれない。
ヒロインは私用携帯を取り出し、レノに仕事が入ったから会社に戻るとメッセージを送った。
レノからの連絡は来ていなかった。
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うれしい。
これからは毎日一緒にいられる。
そんな私の舞い上がった気持ちは、一瞬で地面に叩きつけられる。
「これから会うのは金曜にしようぜ」
理由は聞かなかった。いや、聞けなかった。
レノの彼女になれるなら…そう思って、私は頷くしかなかった。
Friday 19:00
ヒロインはいつもの店で先に飲み始めていた。
レノに告白してから1ヶ月が経った。
つまり、恋人として会うのは今日で4回目。
(今日も遅刻、か…)
ヒロインは一気にジョッキを傾けた。
金曜以外は簡単なメッセージアプリでのやり取りだけ。電話はしたことがない。
会社でも一切顔を合わせない。
この状態は、付き合っていると言えるのだろうか。
「これじゃ、前と変わらないじゃん…」
ヒロインは盛大に溜息をついた。
飲み友だった頃の方がよかったかもしれない。
あの頃は悩みなどなかったが、今では悩みだらけだ。
キスもしてない、セックスもしていない。
毎週もしかしたらと思い、それなりの下着で来るのもバカバカしくなってきた。
「帰ろう、かな…」
1ヶ月前はあんなに盛り上がっていた想いも、今では種火になってしまった。
来週も遅刻してきて、一晩一緒に過ごせないなら――
ヒロインは滲んできた涙を零すまいと、少し上を向いた。
そして、大きく息をつくと伝票を持って立ち上がった。
Friday 20:30
店を出たところで、レノに帰ると連絡しようとする前に会社携帯が鳴った。
見なければよかったと思いつつ、ヒロインは電話に出た。
「…はい」
不機嫌な声で応答したが、相手は一方的に要件を告げた。相当慌てているようだ。
それもそのはずだった。
「は?トラブル?サーバ止めた?バカなの?」
ヒロインは頭を押さえた。酔いが一気に冷める。
「てか、私もう飲んでるんだけど…うん、3杯。行っても役に立たないと思うけど?他にいないの?」
相手は今にも号泣しそうだったが、ヒロインは強い口調を崩さなかった。
泣きたいのはこっちだ。
「一気飲みして倒れて病院?バカか」
ヒロインは電話越しでもわかるように盛大に溜息をついて言った。
「わかった、行く。1時間ぐらいで着くと思うから」
損な役回りだと思ったが、帰るには当たり障りのないいい理由ができたかもしれない。
ヒロインは私用携帯を取り出し、レノに仕事が入ったから会社に戻るとメッセージを送った。
レノからの連絡は来ていなかった。
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