すれ違い、片思い。
ヒロイン
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同僚とは二人きりにならないようにしようと思っていたが、予想外に打ち合わせが長引き、オフィスに戻ると例の同僚以外は誰も残っていなかった。
(最悪…)
まだ仕事が残っているため、帰るわけにはいかない。
しかし、同僚と二人きりのオフィスにいる気にはならず、手早く荷物を掴むと、そのまま資料室に向かった。
そこなら落ち着いて仕事ができると思って。
昼間同様、資料室には誰もいなかった。ただ、節電のためか照明はまばらになっており、室内は薄暗かった。
ヒロインはいつものテーブルにつくと、そこに備え付けられているデスクランプをつけた。そこまで明るくはなかったが、ないよりはましだろう。
全消灯される前に仕事を終えなければと、ヒロインは集中するためにイヤホンをつけ、パソコンに向かった。
イヤホンの防音性が高かった上、音楽を流していたこともあり、ヒロインは資料室に人が入ってきたことに全く気づかなかった。
誰も来ないという油断もあった。
手元に影が落ちて初めて、すぐ近くに人がいることに気づいた。
そして、気づいたときには遅かった。
はっとして顔を上げた先には、例の同僚がいた。
「せっかく待ってたのにさ、その態度はないだろ?」
ヒロインは反射的に立ち上がり、その場から逃げようとした。
しかしそれを読んでいたのか、同僚がヒロインの肩を押さえつけ、にやりと笑った。
「逃げなくてもいいだろ?」
同僚の顔が目の前に迫る。
ヒロインは昨日のことを思い出し、顔を背けた。
キスは免れたが、代わりに無防備になってしまった首筋に同僚が舌を這わせ、吸い付いた。
「やめっ…!」
たっぷりと時間をかけて吸われたそこには、真っ赤な痕が残った。
「ここ、静かでいいところだなぁ。誰も来ないし」
同僚に手を引かれ、ヒロインは無理矢理椅子から立たされた。そして、そのまま抱きしめられる。
この後、何が起こるのかは容易に想像できた。キスだけでは済まない。
頭の中は真っ白なのに、目の前は真っ暗だ。
同僚の手が身体中を弄り始める。
太もも、尻、腰――その手が胸に差し掛かったところで、少し二人の身体に空間ができた。
――そのヒールも武器になりそうだよな。
軍事品の改良についてレノと話し合っていたときの何気ない会話。
レノは冗談で言っていたのだろうが、今のヒロインにとっては光明を見た思いだった。
ヒロインは思い切り足を上げると、勢いよく同僚の足の甲にヒールを振り下ろした。
「いってええ!」
同僚の拘束から逃れたヒロインは、テーブルの上の携帯を引っ掴むと、その場に靴を脱ぎ捨てて走り出した。
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(最悪…)
まだ仕事が残っているため、帰るわけにはいかない。
しかし、同僚と二人きりのオフィスにいる気にはならず、手早く荷物を掴むと、そのまま資料室に向かった。
そこなら落ち着いて仕事ができると思って。
昼間同様、資料室には誰もいなかった。ただ、節電のためか照明はまばらになっており、室内は薄暗かった。
ヒロインはいつものテーブルにつくと、そこに備え付けられているデスクランプをつけた。そこまで明るくはなかったが、ないよりはましだろう。
全消灯される前に仕事を終えなければと、ヒロインは集中するためにイヤホンをつけ、パソコンに向かった。
イヤホンの防音性が高かった上、音楽を流していたこともあり、ヒロインは資料室に人が入ってきたことに全く気づかなかった。
誰も来ないという油断もあった。
手元に影が落ちて初めて、すぐ近くに人がいることに気づいた。
そして、気づいたときには遅かった。
はっとして顔を上げた先には、例の同僚がいた。
「せっかく待ってたのにさ、その態度はないだろ?」
ヒロインは反射的に立ち上がり、その場から逃げようとした。
しかしそれを読んでいたのか、同僚がヒロインの肩を押さえつけ、にやりと笑った。
「逃げなくてもいいだろ?」
同僚の顔が目の前に迫る。
ヒロインは昨日のことを思い出し、顔を背けた。
キスは免れたが、代わりに無防備になってしまった首筋に同僚が舌を這わせ、吸い付いた。
「やめっ…!」
たっぷりと時間をかけて吸われたそこには、真っ赤な痕が残った。
「ここ、静かでいいところだなぁ。誰も来ないし」
同僚に手を引かれ、ヒロインは無理矢理椅子から立たされた。そして、そのまま抱きしめられる。
この後、何が起こるのかは容易に想像できた。キスだけでは済まない。
頭の中は真っ白なのに、目の前は真っ暗だ。
同僚の手が身体中を弄り始める。
太もも、尻、腰――その手が胸に差し掛かったところで、少し二人の身体に空間ができた。
――そのヒールも武器になりそうだよな。
軍事品の改良についてレノと話し合っていたときの何気ない会話。
レノは冗談で言っていたのだろうが、今のヒロインにとっては光明を見た思いだった。
ヒロインは思い切り足を上げると、勢いよく同僚の足の甲にヒールを振り下ろした。
「いってええ!」
同僚の拘束から逃れたヒロインは、テーブルの上の携帯を引っ掴むと、その場に靴を脱ぎ捨てて走り出した。
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