旧拍手小説集
ヒロイン
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G殲滅戦
ヒュン!
突然目の前を通りすぎていったナイフに、レノは大きく目を見開いた。自宅のソファで寛いでいるときには相応しくないものだった。
ナイフが飛んでいった先を見ると、白い壁に黒い染みがあった。ナイフはその黒い染みのちょうど中心に刺さっていた。よく目を凝らしてみるとそれは――
「うお!」
例のアレだった。
「鬱陶しいよね、ちょろちょろと」
涼しい顔をして雑誌に目を落とすヒロイン。彼女こそがナイフを投げた張本人だった。
「いっそあぶり出して、全部殺しちゃおうか」
「…それだけは勘弁だぞ、と」
殺すのはいいとして、あぶり出すなんて考えただけで寒気がする。
「じゃあ、兵器開発部門に言って、対G戦用決戦兵器でも作ってもらおうか。それとも、科学部門に毒ガス作らせた方がいいかなー」
「冗談に聞こえないぞ、と」
「冗談じゃないから」
彼女の目は真剣そのものだった。この調子だと、本当にやりかねない。
レノは立ち上がると、ヒロインの隣に腰を下ろした。そして、なだめるように髪を撫でる。
「そこまでしなくても、もうすぐ寒くなったらいなくなるぞ、と。それに、いざとなったら、俺が退治してやる」
「レノ…」
二人の視線が近くで交わる。甘い甘いいい雰囲気だ。熱を帯びたヒロインの目は、わずかに潤んでいる。レノはヒロインに顔を寄せた。
その時。
耳の傍で鋭い音と風が通りすぎていった。
何が飛んでいったのかは、もう確かめなくてもわかる。
「…スカーレットか宝条に頼んだ方がいいみたいだぞ、と」
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ヒュン!
突然目の前を通りすぎていったナイフに、レノは大きく目を見開いた。自宅のソファで寛いでいるときには相応しくないものだった。
ナイフが飛んでいった先を見ると、白い壁に黒い染みがあった。ナイフはその黒い染みのちょうど中心に刺さっていた。よく目を凝らしてみるとそれは――
「うお!」
例のアレだった。
「鬱陶しいよね、ちょろちょろと」
涼しい顔をして雑誌に目を落とすヒロイン。彼女こそがナイフを投げた張本人だった。
「いっそあぶり出して、全部殺しちゃおうか」
「…それだけは勘弁だぞ、と」
殺すのはいいとして、あぶり出すなんて考えただけで寒気がする。
「じゃあ、兵器開発部門に言って、対G戦用決戦兵器でも作ってもらおうか。それとも、科学部門に毒ガス作らせた方がいいかなー」
「冗談に聞こえないぞ、と」
「冗談じゃないから」
彼女の目は真剣そのものだった。この調子だと、本当にやりかねない。
レノは立ち上がると、ヒロインの隣に腰を下ろした。そして、なだめるように髪を撫でる。
「そこまでしなくても、もうすぐ寒くなったらいなくなるぞ、と。それに、いざとなったら、俺が退治してやる」
「レノ…」
二人の視線が近くで交わる。甘い甘いいい雰囲気だ。熱を帯びたヒロインの目は、わずかに潤んでいる。レノはヒロインに顔を寄せた。
その時。
耳の傍で鋭い音と風が通りすぎていった。
何が飛んでいったのかは、もう確かめなくてもわかる。
「…スカーレットか宝条に頼んだ方がいいみたいだぞ、と」
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