彼の隣、彼女の隣 -延長戦2-
ヒロイン
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ヒロインは柔らかいものが唇に当たった感触で目を覚ました。
「ん…レノさん?」
なぜレノはスーツを着ているのだろう。
まだぼんやりする頭に一つの解が浮かび上がる。
「遅刻しちゃう!」
ヒロインは慌ててベッドから起き上がった。
「今日は休みだぞ、と」
レノがもう一度唇にキスをした。
「おはよう、ヒロイン。悪ぃな、起こしちまった」
「え、あれ…?」
ヒロインは首を傾げた。
「そんな格好見せられたら、今すぐヒロインとしたいとこなんだけどな」
起き上がったせいで、布団に隠れていたはずの乳房が顕になっていた。ヒロインは慌てて布団を引っ張り上げ、裸体を隠した。
「ちょっと今回は長くなりそうだから、帰ってきたら連絡するぞ、と」
「どれぐらい…?」
「1ヶ月、ぐらいで帰ってきたいんだけどな」
「そんなに…」
付き合い始めてから最長の期間になる。笑顔で見送りたいと思いつつ、ヒロインの顔は自然と曇った。
「オレもヒロインに会えないのは辛いぞ、と」
レノの手が優しく頬に触れた。
唇が重なり、レノの舌が口内に侵入する。ヒロインはそれを受け止め、自分の舌を絡ませた。次第に濃厚になっていくキスに合わせて、ヒロインはレノの首に腕を回した。
「続きは帰ってから、な」
「…はい」
キスだけで朝から身体に火がつきかかったのが恥ずかしく、ヒロインは口元を押さえて頷いた。
「無事に、帰ってきてくださいね」
レノは不敵な笑みを浮かべると、仕事に出掛けていった。
ヒロインはベッドの上で膝を抱えた。自然と涙が出てくる。ここしばらくは毎日一緒にいられたのもあり、1ヶ月以上も会えないと思うと寂しくてたまらない。
無事にレノが帰ってくることを毎日祈らずにはいられなかった。
普段はあっという間の1ヶ月も、レノがいないだけで倍の時間に感じる。一人で過ごす時間がこんなに虚しく、不安になるものなのか。毎日溢れる溜息は、思考をより暗い方に導いていく。
もし、レノが戻らなかったら?
レノが約束を守らないことなんてありえないと思いつつ、孤独は心を不安にさせた。
そして、1ヶ月が過ぎた頃、レノとヒロインが別れたという話がそこかしこで囁かれるようになった。
誰が言い出したのかはわからないが、みんな陰で口を揃えて言っていた。
「あの子、地味だったしね。きっとレノが飽きて捨てたのよ。レノには似合わない」
ただ、男性陣のヒロインを見る目は変わっていた。
「レノの眼鏡に適ったなら、絶対にエロい身体してるだろ。お古でいいから、1回ヤラせてくれないかな」
それを聞いて以来、ヒロインは身体のラインがわからない服を着るようにしていた。それでも、胸や尻に男性の視線を感じることがあり、自意識過剰と思いながらも、ヒロインはレノと付き合う前以上に人目を気にするようになっていた。
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「ん…レノさん?」
なぜレノはスーツを着ているのだろう。
まだぼんやりする頭に一つの解が浮かび上がる。
「遅刻しちゃう!」
ヒロインは慌ててベッドから起き上がった。
「今日は休みだぞ、と」
レノがもう一度唇にキスをした。
「おはよう、ヒロイン。悪ぃな、起こしちまった」
「え、あれ…?」
ヒロインは首を傾げた。
「そんな格好見せられたら、今すぐヒロインとしたいとこなんだけどな」
起き上がったせいで、布団に隠れていたはずの乳房が顕になっていた。ヒロインは慌てて布団を引っ張り上げ、裸体を隠した。
「ちょっと今回は長くなりそうだから、帰ってきたら連絡するぞ、と」
「どれぐらい…?」
「1ヶ月、ぐらいで帰ってきたいんだけどな」
「そんなに…」
付き合い始めてから最長の期間になる。笑顔で見送りたいと思いつつ、ヒロインの顔は自然と曇った。
「オレもヒロインに会えないのは辛いぞ、と」
レノの手が優しく頬に触れた。
唇が重なり、レノの舌が口内に侵入する。ヒロインはそれを受け止め、自分の舌を絡ませた。次第に濃厚になっていくキスに合わせて、ヒロインはレノの首に腕を回した。
「続きは帰ってから、な」
「…はい」
キスだけで朝から身体に火がつきかかったのが恥ずかしく、ヒロインは口元を押さえて頷いた。
「無事に、帰ってきてくださいね」
レノは不敵な笑みを浮かべると、仕事に出掛けていった。
ヒロインはベッドの上で膝を抱えた。自然と涙が出てくる。ここしばらくは毎日一緒にいられたのもあり、1ヶ月以上も会えないと思うと寂しくてたまらない。
無事にレノが帰ってくることを毎日祈らずにはいられなかった。
普段はあっという間の1ヶ月も、レノがいないだけで倍の時間に感じる。一人で過ごす時間がこんなに虚しく、不安になるものなのか。毎日溢れる溜息は、思考をより暗い方に導いていく。
もし、レノが戻らなかったら?
レノが約束を守らないことなんてありえないと思いつつ、孤独は心を不安にさせた。
そして、1ヶ月が過ぎた頃、レノとヒロインが別れたという話がそこかしこで囁かれるようになった。
誰が言い出したのかはわからないが、みんな陰で口を揃えて言っていた。
「あの子、地味だったしね。きっとレノが飽きて捨てたのよ。レノには似合わない」
ただ、男性陣のヒロインを見る目は変わっていた。
「レノの眼鏡に適ったなら、絶対にエロい身体してるだろ。お古でいいから、1回ヤラせてくれないかな」
それを聞いて以来、ヒロインは身体のラインがわからない服を着るようにしていた。それでも、胸や尻に男性の視線を感じることがあり、自意識過剰と思いながらも、ヒロインはレノと付き合う前以上に人目を気にするようになっていた。
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