彼の隣、彼女の隣 6
ヒロイン
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作戦の説明が進むに連れ、ヒロインは気分が悪くなっていった。
反神羅組織が占拠したサーバルームに乗り込んで、応戦しながらデータの消去?
映画でありそうな状況に自分が置かれるなんて、悪い冗談としか思えなかった。
時折、心配そうなレノの視線を感じたが、それに答える余裕などない。
震えが止まらない。
説明が一区切りついたところで、ヒロインはブリーフィングルームを飛び出し、トイレに駆け込んだ。
込み上げてきた吐き気を抑えることができず、ヒロインはトイレに吐瀉した。
吐いても吐いても胃痛は収まらない。
(どうしよう、どうしよう…)
頭が真っ白になる。
行かなければならないのはわかっているが、足が動かなかった。
そのとき、胸ポケットに入れていた携帯が鳴った。
『少し話せるか?』
レノからのメッセージだった。
ヒロインは口を拭うと、震える足をなんとか一歩ずつ前に出し、トイレを出た。
ヒロインが口元を押さえながら、ブリーフィングルームを飛び出していった。急に銃弾が飛び交う世界に放り込まれれば無理もない。
レノは今回の作戦の立案者である、例の女性を睨みつけた。
「エンジニアの選定は妥当か?」
「もちろん。訓練は受けていないと聞いていますけど、スキルマッチしていますし、他にいませんから」
女が憎たらしい笑みを浮かべる。
「だからその分、サーバルーム側に人員を割いているでしょう?」
確かに女の言う通り、十分な戦力が振り分けられている。しかし、訓練を受けていない女性を連れて行くには、いささか心許ない。
「万が一ってこともあるだろ。オレがこっちに回る」
「そんな勝手が許されるとでも?」
「そっちに命令権はないぞ、と」
女が悔しそうに唇を噛んだ。
「わかりました。そこまで言うならご自由に。ただし、失敗したときは、責任追及しますよ」
「オレを誰だと思ってんだ。まぁ、勝手にしろよ」
レノはそれだけ言うと、ブリーフィングルームを出た。
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反神羅組織が占拠したサーバルームに乗り込んで、応戦しながらデータの消去?
映画でありそうな状況に自分が置かれるなんて、悪い冗談としか思えなかった。
時折、心配そうなレノの視線を感じたが、それに答える余裕などない。
震えが止まらない。
説明が一区切りついたところで、ヒロインはブリーフィングルームを飛び出し、トイレに駆け込んだ。
込み上げてきた吐き気を抑えることができず、ヒロインはトイレに吐瀉した。
吐いても吐いても胃痛は収まらない。
(どうしよう、どうしよう…)
頭が真っ白になる。
行かなければならないのはわかっているが、足が動かなかった。
そのとき、胸ポケットに入れていた携帯が鳴った。
『少し話せるか?』
レノからのメッセージだった。
ヒロインは口を拭うと、震える足をなんとか一歩ずつ前に出し、トイレを出た。
ヒロインが口元を押さえながら、ブリーフィングルームを飛び出していった。急に銃弾が飛び交う世界に放り込まれれば無理もない。
レノは今回の作戦の立案者である、例の女性を睨みつけた。
「エンジニアの選定は妥当か?」
「もちろん。訓練は受けていないと聞いていますけど、スキルマッチしていますし、他にいませんから」
女が憎たらしい笑みを浮かべる。
「だからその分、サーバルーム側に人員を割いているでしょう?」
確かに女の言う通り、十分な戦力が振り分けられている。しかし、訓練を受けていない女性を連れて行くには、いささか心許ない。
「万が一ってこともあるだろ。オレがこっちに回る」
「そんな勝手が許されるとでも?」
「そっちに命令権はないぞ、と」
女が悔しそうに唇を噛んだ。
「わかりました。そこまで言うならご自由に。ただし、失敗したときは、責任追及しますよ」
「オレを誰だと思ってんだ。まぁ、勝手にしろよ」
レノはそれだけ言うと、ブリーフィングルームを出た。
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