悩める彼女に愛の手を 2
ヒロイン
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長くて短い1週間。
毎週、週末になるのをまだかまだかと待っていたが、今週は週末なんて来なくていい。
あぁ、どうして今週はこんなに早く過ぎていくのだろう。
日曜、昼。
ついにルーファウスと約束した日が過ぎてしまったと、ヒロインは絶望的な気持ちで天を仰いだ。
携帯に登録した番号を表示し、通話ボタンを押すかどうか迷って、早1週間。
「だめだー!できない!!」
ヒロインは携帯をベッドに放り投げ、自分もベッドにダイブした。
1週間前、初対面のふりをして会ったレノは、ヒロインが覚えているよりも容姿端麗な男性だった。おかげで、極限まで緊張したヒロインは、車中でもパーティーでもまともにレノの顔すら見ることができず、俯くか作り笑いを見せることしかできなかった。さらに、身体を売っていた話も聞かれ、男にハイキックするとこを見られた挙げ句、怪我をして迷惑を掛け、それはもう散々だった。
その怪我のおかげで、食事に誘う理由はできたが、今度は誘うための第一歩を踏み出せずにいた。
今思えば、先週ルーファウスが「アドバイスをしてやる」と言ったのに甘えた方がよかったかもしれない。
「情けない」
そう言って呆れるルーファウスの顔が目に浮かぶ。
悔しいが、全くもってそのとおりである。ぐうの音も出ない。
「どうせ情けないですよ…」
ぐるりとベッドの上で半回転し、ヒロインは仰向けになった。
自然と漏れた溜息のあと、遠慮がちにお腹が鳴った。
「…」
自分のお腹には呆れてものも言えない。頭では散々悩んでいるというのに。
しかし本能には逆らえず、ヒロインはベッドから降りると、散らかったテーブルの上に置いてあったピザのチラシを手にとった。
携帯のロックを外すと表示されるレノの番号。
ヒロインは小さく溜息をついて表示を消すと、ピザ屋に電話した。
30分ほど経って、インターホンが鳴った。
「はーい、今行きますー」
今日は来るのが早いと思いながら、ヒロインは財布を持って玄関のドアを開けた。
「うそ」
ヒロインは財布を落とした。
「よお」
再度、目の前に立つ男の顔を確認し、玄関の扉を閉めた。
「ちょ…ヒロイン、開けてくれよ!」
心臓がバクバクと音を立てる。変な汗まで出てくる。
玄関に立っていたのは、ピザ屋ではなくレノだった。
(いや…え、何?どういうこと?意味分かんないんだけど!)
「ピザ?ここの住人の?あー…オレが受け取っておくぞ、と」
扉の向こうでピザ屋とレノが何やらやり取りしている声が聞こえる。
なぜこのタイミングでピザ屋が来るのか!と、ヒロインは理不尽な怒りを覚えた。
「つーことで、ヒロイン、ピザ届いてるぞ、と」
ああ、いい匂い。
今度は、大きなお腹の音が鳴った。
「…腹減ってるんだろ?」
笑い混じりのレノの声が聞こえ、ヒロインは恥ずかしさで頭の天辺からつま先まで真っ赤になった。
(もうどうにでもなれ!)
お腹の音を聞かれる以上に状況が悪くなることなどない。
ヒロインは大きく玄関の扉を開け放った。
「あ…えーっと…ヒロイン、服、着たほうがいいんじゃないのか?」
今度はレノが赤い顔をして、顔をそむけた。
半袖のTシャツはいいとして、下半身はショーツ1枚。しかも全く色気のない下着。Tシャツの裾が長いから下着は見えないと油断していたが、肝心のTシャツの裾は捲り上がり、ショーツが丸見えになっていた。
「…少々お待ち下さい」
ヒロインはゆっくりと扉を閉め、ベッドに潜り込みたい衝動を必死に我慢した。
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毎週、週末になるのをまだかまだかと待っていたが、今週は週末なんて来なくていい。
あぁ、どうして今週はこんなに早く過ぎていくのだろう。
日曜、昼。
ついにルーファウスと約束した日が過ぎてしまったと、ヒロインは絶望的な気持ちで天を仰いだ。
携帯に登録した番号を表示し、通話ボタンを押すかどうか迷って、早1週間。
「だめだー!できない!!」
ヒロインは携帯をベッドに放り投げ、自分もベッドにダイブした。
1週間前、初対面のふりをして会ったレノは、ヒロインが覚えているよりも容姿端麗な男性だった。おかげで、極限まで緊張したヒロインは、車中でもパーティーでもまともにレノの顔すら見ることができず、俯くか作り笑いを見せることしかできなかった。さらに、身体を売っていた話も聞かれ、男にハイキックするとこを見られた挙げ句、怪我をして迷惑を掛け、それはもう散々だった。
その怪我のおかげで、食事に誘う理由はできたが、今度は誘うための第一歩を踏み出せずにいた。
今思えば、先週ルーファウスが「アドバイスをしてやる」と言ったのに甘えた方がよかったかもしれない。
「情けない」
そう言って呆れるルーファウスの顔が目に浮かぶ。
悔しいが、全くもってそのとおりである。ぐうの音も出ない。
「どうせ情けないですよ…」
ぐるりとベッドの上で半回転し、ヒロインは仰向けになった。
自然と漏れた溜息のあと、遠慮がちにお腹が鳴った。
「…」
自分のお腹には呆れてものも言えない。頭では散々悩んでいるというのに。
しかし本能には逆らえず、ヒロインはベッドから降りると、散らかったテーブルの上に置いてあったピザのチラシを手にとった。
携帯のロックを外すと表示されるレノの番号。
ヒロインは小さく溜息をついて表示を消すと、ピザ屋に電話した。
30分ほど経って、インターホンが鳴った。
「はーい、今行きますー」
今日は来るのが早いと思いながら、ヒロインは財布を持って玄関のドアを開けた。
「うそ」
ヒロインは財布を落とした。
「よお」
再度、目の前に立つ男の顔を確認し、玄関の扉を閉めた。
「ちょ…ヒロイン、開けてくれよ!」
心臓がバクバクと音を立てる。変な汗まで出てくる。
玄関に立っていたのは、ピザ屋ではなくレノだった。
(いや…え、何?どういうこと?意味分かんないんだけど!)
「ピザ?ここの住人の?あー…オレが受け取っておくぞ、と」
扉の向こうでピザ屋とレノが何やらやり取りしている声が聞こえる。
なぜこのタイミングでピザ屋が来るのか!と、ヒロインは理不尽な怒りを覚えた。
「つーことで、ヒロイン、ピザ届いてるぞ、と」
ああ、いい匂い。
今度は、大きなお腹の音が鳴った。
「…腹減ってるんだろ?」
笑い混じりのレノの声が聞こえ、ヒロインは恥ずかしさで頭の天辺からつま先まで真っ赤になった。
(もうどうにでもなれ!)
お腹の音を聞かれる以上に状況が悪くなることなどない。
ヒロインは大きく玄関の扉を開け放った。
「あ…えーっと…ヒロイン、服、着たほうがいいんじゃないのか?」
今度はレノが赤い顔をして、顔をそむけた。
半袖のTシャツはいいとして、下半身はショーツ1枚。しかも全く色気のない下着。Tシャツの裾が長いから下着は見えないと油断していたが、肝心のTシャツの裾は捲り上がり、ショーツが丸見えになっていた。
「…少々お待ち下さい」
ヒロインはゆっくりと扉を閉め、ベッドに潜り込みたい衝動を必死に我慢した。
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