悩める彼女に愛の手を
ヒロイン
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翌日、昼過ぎにツォンが迎えに来たので逃げることもできず、ヒロインはルーファウス宅に連行された。レノじゃないことにがっかりしたが、ツォンが来たことに少しほっとしてもいた。
応接室でお茶を飲みながら待っていると、ルーファウスがやってきた。
「昨日はあれからどうだったんだ?キスぐらいしたのか?」
ヒロインは思わずお茶を吹き出した。
「す、するわけないでしょ!」
「やはりな。あの様子では無理だと思ったが」
「ちょっと気になるから、話してみたいって思っただけだし…」
言っていて、自分の顔が熱くなるのを感じた。
「うじうじしてる間に他の女に取られるぞ。レノはもてるからな」
ルーファウスが意地の悪い顔をした。煽られているとわかっていても、反論できないのが悔しい。
「お前は本当に内弁慶だな…」
ルーファウスが呆れたように溜息をついた。
「食事にでも誘ったらどうだ?その足、レノに治してもらったんじゃないのか?」
ヒロインは弾かれたように顔を上げた。
「何で知ってるの!?」
「お前の様子を見ていればわかる」
ルーファウスは何もかもお見通しで、敵う部分が一つもない。悔しいが、食事に誘うのはいい案に思えた。
「…食事、誘ってみる。番号知らないけど」
「そういうと思ってな。ツォンに確認しておいた」
ルーファウスが紙片をヒロインに手渡した。そこには電話番号が一つ書かれていた。
「…準備のよいことで」
「嫌なら無理をする必要はない」
ルーファウスが紙片を取り上げようとする。
ヒロインはそれを身体を捻ってかわした。
「い、嫌じゃないから!あ、ありがたく頂戴致します…」
「さて、気が変わらないうちに電話したらどうだ?」
隣でアドバイスをしてやろうとルーファウスが言う。余計なお世話だった。
「それぐらい一人でできるから!」
「できないから心配しているのだろう」
絶対面白がっている。
悪趣味!と罵ってやりたいところだったが、それをすると手の中の紙片はシュレッダー行きになってしまう。
ヒロインは立ち上がり、宣言した。
「1週間以内にちゃんとレノさんのこと誘う!だからしばらく放っておいて!」
「わかった。1週間だな。結果を楽しみにしている」
ルーファウスがにやりと笑い、してやられたとヒロインは項垂れた。
期限は1週間。
今すぐ時間が止まればいいのに、とヒロインは真剣に思った。
END
2020/5/26
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応接室でお茶を飲みながら待っていると、ルーファウスがやってきた。
「昨日はあれからどうだったんだ?キスぐらいしたのか?」
ヒロインは思わずお茶を吹き出した。
「す、するわけないでしょ!」
「やはりな。あの様子では無理だと思ったが」
「ちょっと気になるから、話してみたいって思っただけだし…」
言っていて、自分の顔が熱くなるのを感じた。
「うじうじしてる間に他の女に取られるぞ。レノはもてるからな」
ルーファウスが意地の悪い顔をした。煽られているとわかっていても、反論できないのが悔しい。
「お前は本当に内弁慶だな…」
ルーファウスが呆れたように溜息をついた。
「食事にでも誘ったらどうだ?その足、レノに治してもらったんじゃないのか?」
ヒロインは弾かれたように顔を上げた。
「何で知ってるの!?」
「お前の様子を見ていればわかる」
ルーファウスは何もかもお見通しで、敵う部分が一つもない。悔しいが、食事に誘うのはいい案に思えた。
「…食事、誘ってみる。番号知らないけど」
「そういうと思ってな。ツォンに確認しておいた」
ルーファウスが紙片をヒロインに手渡した。そこには電話番号が一つ書かれていた。
「…準備のよいことで」
「嫌なら無理をする必要はない」
ルーファウスが紙片を取り上げようとする。
ヒロインはそれを身体を捻ってかわした。
「い、嫌じゃないから!あ、ありがたく頂戴致します…」
「さて、気が変わらないうちに電話したらどうだ?」
隣でアドバイスをしてやろうとルーファウスが言う。余計なお世話だった。
「それぐらい一人でできるから!」
「できないから心配しているのだろう」
絶対面白がっている。
悪趣味!と罵ってやりたいところだったが、それをすると手の中の紙片はシュレッダー行きになってしまう。
ヒロインは立ち上がり、宣言した。
「1週間以内にちゃんとレノさんのこと誘う!だからしばらく放っておいて!」
「わかった。1週間だな。結果を楽しみにしている」
ルーファウスがにやりと笑い、してやられたとヒロインは項垂れた。
期限は1週間。
今すぐ時間が止まればいいのに、とヒロインは真剣に思った。
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