悩める彼女に愛の手を
ヒロイン
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ルーファウスの粋なはからいで二人きりになることはできたが、ヒロインは足首の痛みでそれどころではなかった。
ルーファウスに気づかれると「それ見たことか」と言われるに決まっていたので、屋敷に着くまでは必死で無表情を貫いた。
しかし、そろそろ我慢の限界だった。痛みで吐き気すらする。
(相変わらず、だめだなぁ、私…)
昔からルーファウスは何でもスマートにこなしていた。再会してからもそれは変わらないどころか、より磨きがかかっていた。
一方のヒロインは昔から要領がよくない上に、詰めが甘い。
今日のいざこざも、ルーファウスならもっと上手く事態を収拾したはずだ。
もちろん、怪我などせず。
足首が熱い。
「おーい、大丈夫か?」
目を開けると、レノが隣に座り、心配そうな顔でこちらを見ていた。
ヒロインは半分夢うつつで、頭に浮かんだことを口にした。
「足、痛い…」
「だと思ったぞ、と。人蹴るの慣れてないだろ?しかもこんな靴で」
レノの手が足首に触れる。レノの手は男らしい骨ばった手だったが、指が長く、とても綺麗だった。
少しずつ痛みが和らぎ、意識がはっきりしてくる。
「念のため、回復マテリア持ってきて正解だったな」
レノが足首から手を離しても、まだ少し足首の辺りが暖かかった。
「前も、それで助けてくれたの?」
「前?」
レノが怪訝そうな顔をした。
しまった、とヒロインは思った。レノが覚えているはずない。むしろ、覚えていてほしくない。
ヒロインは大きく首を振った。
「いえ、なんでもないです。ありがとうございました」
「ヒロイン」
車から降りようとしてレノに呼び止められ、ヒロインは振り返った。
「あー…今度誰かをぶん殴るのは、オレに任せてくれよ」
今度。レノは意識して言ったわけではないだろうが、ヒロインは少しうれしくなった。
「そうします。今日はありがとうございました」
ヒロインはレノに微笑み、車から降りた。
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ルーファウスに気づかれると「それ見たことか」と言われるに決まっていたので、屋敷に着くまでは必死で無表情を貫いた。
しかし、そろそろ我慢の限界だった。痛みで吐き気すらする。
(相変わらず、だめだなぁ、私…)
昔からルーファウスは何でもスマートにこなしていた。再会してからもそれは変わらないどころか、より磨きがかかっていた。
一方のヒロインは昔から要領がよくない上に、詰めが甘い。
今日のいざこざも、ルーファウスならもっと上手く事態を収拾したはずだ。
もちろん、怪我などせず。
足首が熱い。
「おーい、大丈夫か?」
目を開けると、レノが隣に座り、心配そうな顔でこちらを見ていた。
ヒロインは半分夢うつつで、頭に浮かんだことを口にした。
「足、痛い…」
「だと思ったぞ、と。人蹴るの慣れてないだろ?しかもこんな靴で」
レノの手が足首に触れる。レノの手は男らしい骨ばった手だったが、指が長く、とても綺麗だった。
少しずつ痛みが和らぎ、意識がはっきりしてくる。
「念のため、回復マテリア持ってきて正解だったな」
レノが足首から手を離しても、まだ少し足首の辺りが暖かかった。
「前も、それで助けてくれたの?」
「前?」
レノが怪訝そうな顔をした。
しまった、とヒロインは思った。レノが覚えているはずない。むしろ、覚えていてほしくない。
ヒロインは大きく首を振った。
「いえ、なんでもないです。ありがとうございました」
「ヒロイン」
車から降りようとしてレノに呼び止められ、ヒロインは振り返った。
「あー…今度誰かをぶん殴るのは、オレに任せてくれよ」
今度。レノは意識して言ったわけではないだろうが、ヒロインは少しうれしくなった。
「そうします。今日はありがとうございました」
ヒロインはレノに微笑み、車から降りた。
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