悩める彼女に愛の手を
ヒロイン
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ツォンは到着するなり、ヒロインに雷を落とした。
「何のために我々が護衛についてると思ってるんですか!」
「…すみません。あまりに気持ち悪くて、とりあえず息の根…じゃなくて、口を塞ごうと思って、気づいたら脚がこう、勝手に…」
全く反省の色が見えない言い訳に、レノは思わず吹き出した。
「何を笑っているんだ!そもそも、お前が先に男を止めていたらこんなことには――」
「それは理不尽だぞ、と」
突然飛び火したレノは肩を竦めた。
そもそも、レノはヒロインが男をのすほど格闘技に精通しているとは聞いていない。聞いていたら、まぁもう少しマシな状況にはなっていたかもしれないが。
「とにかく、ヒロインはパーティーの終わりまで社長の隣にいるように!」
「…はい」
ヒロインは小さく頷くと、テラスから出ていった。
残ったのは、ツォンとレノと失神した男だった。
「レノ、こいつは何を言っていた?」
ツォンの口調が仕事用の冷たいものに変わった。
レノは二人の会話で聞こえたことを報告した。
「ツォンさん、ヒロインは…」
「彼女の過去については詮索するな」
「社長は知ってるのか?」
「もちろんだ。知った上で、社長は彼女を本当の妹のように大事にしている。ならば、我々はその弱みにつけ込む輩から二人を守るだけだ」
ツォンが男から外したネクタイを投げ寄越した。
「レノ。社長とヒロインを頼んだぞ」
「あいよ」
結局、ネクタイを締めることになってしまったか。レノは戻りながら、ネクタイを締め直した。
一人の途中退場はあったが、パーティーは他にトラブルもなく終了した。
レノはルーファウスとヒロインを屋敷まで送った。
「ヒロイン、今日のことは明日話そう」
「…はい」
後部座席に座るヒロインが嫌そうな顔をしたのが見えた。
「レノ、一つ仕事を頼まれてくれないか」
「なんすか」
「ヒロインを自宅まで送ってくれ」
ヒロインの表情が少し明るくなった。
鏡越しではわからなかったが、ルーファウスの方を向いたヒロインの口が少しだけ動いた。
「了解、と」
車中のヒロインは静かだった。窓に寄りかかり、ずっと外を眺めていた。
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「何のために我々が護衛についてると思ってるんですか!」
「…すみません。あまりに気持ち悪くて、とりあえず息の根…じゃなくて、口を塞ごうと思って、気づいたら脚がこう、勝手に…」
全く反省の色が見えない言い訳に、レノは思わず吹き出した。
「何を笑っているんだ!そもそも、お前が先に男を止めていたらこんなことには――」
「それは理不尽だぞ、と」
突然飛び火したレノは肩を竦めた。
そもそも、レノはヒロインが男をのすほど格闘技に精通しているとは聞いていない。聞いていたら、まぁもう少しマシな状況にはなっていたかもしれないが。
「とにかく、ヒロインはパーティーの終わりまで社長の隣にいるように!」
「…はい」
ヒロインは小さく頷くと、テラスから出ていった。
残ったのは、ツォンとレノと失神した男だった。
「レノ、こいつは何を言っていた?」
ツォンの口調が仕事用の冷たいものに変わった。
レノは二人の会話で聞こえたことを報告した。
「ツォンさん、ヒロインは…」
「彼女の過去については詮索するな」
「社長は知ってるのか?」
「もちろんだ。知った上で、社長は彼女を本当の妹のように大事にしている。ならば、我々はその弱みにつけ込む輩から二人を守るだけだ」
ツォンが男から外したネクタイを投げ寄越した。
「レノ。社長とヒロインを頼んだぞ」
「あいよ」
結局、ネクタイを締めることになってしまったか。レノは戻りながら、ネクタイを締め直した。
一人の途中退場はあったが、パーティーは他にトラブルもなく終了した。
レノはルーファウスとヒロインを屋敷まで送った。
「ヒロイン、今日のことは明日話そう」
「…はい」
後部座席に座るヒロインが嫌そうな顔をしたのが見えた。
「レノ、一つ仕事を頼まれてくれないか」
「なんすか」
「ヒロインを自宅まで送ってくれ」
ヒロインの表情が少し明るくなった。
鏡越しではわからなかったが、ルーファウスの方を向いたヒロインの口が少しだけ動いた。
「了解、と」
車中のヒロインは静かだった。窓に寄りかかり、ずっと外を眺めていた。
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