明日、もし死んだら
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねえ、明日、もし死んだらどうする?」
「は?死んだらしまいだろ。どうするもねえよ」
レノは何をおかしなことを聞くのかと笑った。
「レノじゃなくて、私が」
「明日も明後日も死なねえから、余計な心配するなよ、と」
その直後、インカムを通して聞こえたのは、銃声だった。
ヒロインとは身体の関係から始まって、なし崩しで付き合うことになった。
しかし、同棲し始めたのが終わりの始まり。
すれ違いばかりでケンカが増え、家に帰らなかったら自然と関係は消滅した。
ヒロインはタークスを辞め、軍に異動した。
そして今日、軍主導の合同作戦で、1年ぶりに再会した。
ヒロインは何も変わっていなかった。
いや、一つだけ。
彼女の左手の薬指には、指輪があった。
結婚するのか、したのか。
いずれにせよ、別れたときよりもヒロインは幸せそうに見えた。
出発前、狙撃用ライフルの最終チェックをしているヒロインにレノは話しかけた。
「久しぶりだな」
「うん」
「元気だったか」
「それなりに」
交わされるのは短い言葉だけ。
話しかけてみたものの、それ以上の会話は思いつかなかった。
「今日は頼むぞ、と」
「任せておいて」
軍用ヘリに乗り込む直前、左手の薬指から指輪を外し、チェーンに通しているヒロインが見えた。
ミッドガルから少し離れた小さな廃村に反神羅組織が集まっているとの情報を得て、軍は殲滅部隊を送り込んだ。
その狙撃手がヒロイン。レノは前線担当。
タークスのときもそう。
レノは昔を思い出し、少し懐かしくなった。
作戦は何事もなく進行し、撤収命令が出た。
「撤収了解。狙撃班、移動します」
インカムから聞こえたヒロインの声。
どうやら向こうも無事だったらしい。
前線部隊も移動を始めてしばらくしてから、レノ宛に通信が入った。
ヒロインだった。
「よう、おつかれさん」
「お疲れ様。少し、話せる?」
「あぁ」
ヒロインは話したいと言ったが、流れるのは沈黙。
レノは辛抱強くヒロインが話し始めるのを待った。
どうせ撤収ポイントまで戻るには時間がかかる。
「出発前はごめん。話しかけられて、緊張した」
「気にしてないぞ、と」
別れる直前もあんな感じだった。
続かない会話と気まずい空気。
それが嫌で距離をおいた。
少し離れたら元に戻るかもしれないという期待もあったが、結果は最悪だった。
昔は何でも話せたし、些細な会話すら楽しかったのに。
いつからこうなってしまったんだろう。
「ねえ、明日、もし死んだらどうする?」
唐突な質問だった。
どういう意図なのかはわからなかったが、レノは素直に答えた。
不穏な未来を想像してもいいことなんかない。
大事なのは今で、今どうするか。
無事に戻ることだけ考えろ。
その言葉は、銃声に遮られた。
.
「は?死んだらしまいだろ。どうするもねえよ」
レノは何をおかしなことを聞くのかと笑った。
「レノじゃなくて、私が」
「明日も明後日も死なねえから、余計な心配するなよ、と」
その直後、インカムを通して聞こえたのは、銃声だった。
ヒロインとは身体の関係から始まって、なし崩しで付き合うことになった。
しかし、同棲し始めたのが終わりの始まり。
すれ違いばかりでケンカが増え、家に帰らなかったら自然と関係は消滅した。
ヒロインはタークスを辞め、軍に異動した。
そして今日、軍主導の合同作戦で、1年ぶりに再会した。
ヒロインは何も変わっていなかった。
いや、一つだけ。
彼女の左手の薬指には、指輪があった。
結婚するのか、したのか。
いずれにせよ、別れたときよりもヒロインは幸せそうに見えた。
出発前、狙撃用ライフルの最終チェックをしているヒロインにレノは話しかけた。
「久しぶりだな」
「うん」
「元気だったか」
「それなりに」
交わされるのは短い言葉だけ。
話しかけてみたものの、それ以上の会話は思いつかなかった。
「今日は頼むぞ、と」
「任せておいて」
軍用ヘリに乗り込む直前、左手の薬指から指輪を外し、チェーンに通しているヒロインが見えた。
ミッドガルから少し離れた小さな廃村に反神羅組織が集まっているとの情報を得て、軍は殲滅部隊を送り込んだ。
その狙撃手がヒロイン。レノは前線担当。
タークスのときもそう。
レノは昔を思い出し、少し懐かしくなった。
作戦は何事もなく進行し、撤収命令が出た。
「撤収了解。狙撃班、移動します」
インカムから聞こえたヒロインの声。
どうやら向こうも無事だったらしい。
前線部隊も移動を始めてしばらくしてから、レノ宛に通信が入った。
ヒロインだった。
「よう、おつかれさん」
「お疲れ様。少し、話せる?」
「あぁ」
ヒロインは話したいと言ったが、流れるのは沈黙。
レノは辛抱強くヒロインが話し始めるのを待った。
どうせ撤収ポイントまで戻るには時間がかかる。
「出発前はごめん。話しかけられて、緊張した」
「気にしてないぞ、と」
別れる直前もあんな感じだった。
続かない会話と気まずい空気。
それが嫌で距離をおいた。
少し離れたら元に戻るかもしれないという期待もあったが、結果は最悪だった。
昔は何でも話せたし、些細な会話すら楽しかったのに。
いつからこうなってしまったんだろう。
「ねえ、明日、もし死んだらどうする?」
唐突な質問だった。
どういう意図なのかはわからなかったが、レノは素直に答えた。
不穏な未来を想像してもいいことなんかない。
大事なのは今で、今どうするか。
無事に戻ることだけ考えろ。
その言葉は、銃声に遮られた。
.
1/2ページ