彼の隣、彼女の隣 4
ヒロイン
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ヒロインはシャワーを頭から浴びながら、ずっとこの状況をどうするか考えていた。
会いたいとは思っていた。
しかし、こんな形になるとは…どうしよう。
ずっと同じことが頭をぐるぐると回っている。
それはお風呂から上がって、寝る準備を整えても『どうしよう』で頭がいっぱいだった。
洗面所の鏡に写った自分の顔は、嬉しさと困惑が入り混じった、なんとも曖昧な表情だった。
そして、そこに羞恥が加わる。
「あ、化粧…服…」
すっぴんに部屋着。当たり前のように寝る準備をしてしまった自分の間抜けさに呆れる。
しかし、今更もう一度化粧をして、着替える気力もなかった。
明日、レノより早く起きたらいい。
そう気持ちを切り替えた。
寝室を覗くと、レノはぐっすり眠っているようだった。
ヒロインはレノを起こさないようにそっと部屋に入り、ベッドの端に腰掛けた。
まだ、レノの顔を直視できない。
背を向けたまま、ヒロインは呟いた。
「…連絡できなくてすみません」
今日も、その前も。
何度もメッセージを送ろうとした。
書いては消し、を繰り返し、1ヶ月も経ってしまった。
「ちょっとだけ、勇気と自信があったらよかったのに」
「オレも、悪かったぞ、と」
寝ていると思っていたレノの声に驚き、身体がびくりと震えた。
振り返ろうとしたとき、腰に回された腕に引かれ、ヒロインはそのまま後ろに倒れ込んだ。
首筋に、温かい吐息がかかる。
初めての感覚に、ヒロインはぞくりと震えた。
「会いたかった…」
耳元で囁かれ、ヒロインの思考が飛ぶ。
身体に回された温かい腕。背に感じる体温。
レノに抱き締められていると頭で理解するまで、ヒロインは息をするのすら忘れていた。
どれぐらいこうしていただろう。
レノの規則的な呼吸が聞こえてきた頃、ようやくヒロインの気持ちも落ち着いてきた。
ヒロインはレノの腕の中で身を捩ると、レノと向かい合った。
当のレノは、深い眠りに落ちているようだった。
「…ずるいです」
ヒロインは少し唇を尖らせ、目を閉じた。
.
会いたいとは思っていた。
しかし、こんな形になるとは…どうしよう。
ずっと同じことが頭をぐるぐると回っている。
それはお風呂から上がって、寝る準備を整えても『どうしよう』で頭がいっぱいだった。
洗面所の鏡に写った自分の顔は、嬉しさと困惑が入り混じった、なんとも曖昧な表情だった。
そして、そこに羞恥が加わる。
「あ、化粧…服…」
すっぴんに部屋着。当たり前のように寝る準備をしてしまった自分の間抜けさに呆れる。
しかし、今更もう一度化粧をして、着替える気力もなかった。
明日、レノより早く起きたらいい。
そう気持ちを切り替えた。
寝室を覗くと、レノはぐっすり眠っているようだった。
ヒロインはレノを起こさないようにそっと部屋に入り、ベッドの端に腰掛けた。
まだ、レノの顔を直視できない。
背を向けたまま、ヒロインは呟いた。
「…連絡できなくてすみません」
今日も、その前も。
何度もメッセージを送ろうとした。
書いては消し、を繰り返し、1ヶ月も経ってしまった。
「ちょっとだけ、勇気と自信があったらよかったのに」
「オレも、悪かったぞ、と」
寝ていると思っていたレノの声に驚き、身体がびくりと震えた。
振り返ろうとしたとき、腰に回された腕に引かれ、ヒロインはそのまま後ろに倒れ込んだ。
首筋に、温かい吐息がかかる。
初めての感覚に、ヒロインはぞくりと震えた。
「会いたかった…」
耳元で囁かれ、ヒロインの思考が飛ぶ。
身体に回された温かい腕。背に感じる体温。
レノに抱き締められていると頭で理解するまで、ヒロインは息をするのすら忘れていた。
どれぐらいこうしていただろう。
レノの規則的な呼吸が聞こえてきた頃、ようやくヒロインの気持ちも落ち着いてきた。
ヒロインはレノの腕の中で身を捩ると、レノと向かい合った。
当のレノは、深い眠りに落ちているようだった。
「…ずるいです」
ヒロインは少し唇を尖らせ、目を閉じた。
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