Dangerous Beauty 2
ヒロイン
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「ヒロイン…」
路地裏では、満面の笑みを浮かべたヒロインが待っていた。
元カレの青かった顔が更に青くなった。
レノは元カレが逃げられないよう、大通りへの道を塞ぐように立った。
「何でここに呼ばれたか、わかるよね?」
「いや、その…」
素直に謝れ。それが唯一の助かる道だ。レノは男の背中を見ながら、心の中で呟いた。
が、そもそも素直に謝れるならば、こんなことはしないわけで、当然、このあとはヒロインの怒りの炎にガソリンをぶちまける結果になる。
「ヒロインにまた会えてうれしいよ」
想像すらしなかった男の返答に、レノとヒロインは目を丸くした。レノは思い切り腹を抱えて笑ったが、ヒロインの目は一切笑っていない。
あぁ、こいつ死んだな、とレノは笑いながら思った。
「タークスに喧嘩売って、第一声がそれか!!」
ヒロインは男の腕を取ると、何の躊躇もせず投げ飛ばした。無様に地面に転がる男を冷たい目で見下ろしながら、ヒロインは男の顔に銃口を向けた。
「盗撮写真、あんたでしょ?あと、駅の動画と裏路地の動画。あれもあんたが撮ったって証拠がある。ここで正直に白状したら、命は助けてあげる」
男はガクガクと震えるばかりで何も言わない。
しびれを切らしたヒロインが引き金を引いた。カチッと乾いた音が鳴った。空砲だ。しかし、男には効果覿面だったようで、男は泣きながら謝罪と罪の告白をした。
「あんたは明日会社に行ったら、辞表を提出する。二度とミッドガルには近づかない。もちろん私にも、タークスにも」
男は壊れた人形のように何度も首を縦に振っていた。
ヒロインはそれだけ言うと、もう顔を見るのもうんざりだとばかりに路地裏から出ていった。
レノはヒロインが近くにいないことを確認し、男の近くにしゃがみこんで言った。
「あんた、ヒロインと付き合ってたときも写真撮ってただろ?あいつは気づいてなかったみたいだけどな」
男の顔色が変わった。
「オレの連れにそういうの強いやつがいてよ、まぁキレイに処分しといたぞ、と。あとは、あんたを始末したら仕舞だが、ヒロインが殺さなかったことに免じて、今回は見逃してやる。けど次やったら、ありとあらゆる手段であんたを苦しめて、殺してくれって泣き喚いてから殺す。わかったか?」
レノは一切殺気を隠すことなく、男に言った。
「タークスなめんなよ」
男はそれが脅しなどではなく、約束を破ったときに訪れる確実な未来であると理解したようだ。レノはその様子を満足そうに眺めると、男の肩を叩いて立ち上がった。
裏路地を出たところでヒロインが待っていた。
「何してたの?もう無理!お腹減った!」
ヒロインは待ちくたびれたとレノに不満を訴えた。待っていたのはほんの2-3分だと思うが、ヒロインには耐えられない時間だったらしい。そういえば、お腹が減ったと行ってコンビニに向かったのを思い出した。
「そういや、コンビニで何も買わなかったのか?」
そう尋ねると、ヒロインがはっとした顔をした。
「買ったビールどっかに置いてきた…」
「どっかってどこだよ…」
肝心なところで、ヒロインは抜けている。必死に思い出そうとしているようだが、もし思い出したとしても、捨てられているか拾われているかだろう。
「いい時間だし、飯でも行くか」
「賛成!焼き肉!ビール!」
切り替えが早いのはヒロインのいいところではあるのだが、すっかり振り回されている。
レノは苦笑しつつ、行きつけの焼肉屋に向かって歩くヒロインを追いかけた。
END
2020/05/07
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路地裏では、満面の笑みを浮かべたヒロインが待っていた。
元カレの青かった顔が更に青くなった。
レノは元カレが逃げられないよう、大通りへの道を塞ぐように立った。
「何でここに呼ばれたか、わかるよね?」
「いや、その…」
素直に謝れ。それが唯一の助かる道だ。レノは男の背中を見ながら、心の中で呟いた。
が、そもそも素直に謝れるならば、こんなことはしないわけで、当然、このあとはヒロインの怒りの炎にガソリンをぶちまける結果になる。
「ヒロインにまた会えてうれしいよ」
想像すらしなかった男の返答に、レノとヒロインは目を丸くした。レノは思い切り腹を抱えて笑ったが、ヒロインの目は一切笑っていない。
あぁ、こいつ死んだな、とレノは笑いながら思った。
「タークスに喧嘩売って、第一声がそれか!!」
ヒロインは男の腕を取ると、何の躊躇もせず投げ飛ばした。無様に地面に転がる男を冷たい目で見下ろしながら、ヒロインは男の顔に銃口を向けた。
「盗撮写真、あんたでしょ?あと、駅の動画と裏路地の動画。あれもあんたが撮ったって証拠がある。ここで正直に白状したら、命は助けてあげる」
男はガクガクと震えるばかりで何も言わない。
しびれを切らしたヒロインが引き金を引いた。カチッと乾いた音が鳴った。空砲だ。しかし、男には効果覿面だったようで、男は泣きながら謝罪と罪の告白をした。
「あんたは明日会社に行ったら、辞表を提出する。二度とミッドガルには近づかない。もちろん私にも、タークスにも」
男は壊れた人形のように何度も首を縦に振っていた。
ヒロインはそれだけ言うと、もう顔を見るのもうんざりだとばかりに路地裏から出ていった。
レノはヒロインが近くにいないことを確認し、男の近くにしゃがみこんで言った。
「あんた、ヒロインと付き合ってたときも写真撮ってただろ?あいつは気づいてなかったみたいだけどな」
男の顔色が変わった。
「オレの連れにそういうの強いやつがいてよ、まぁキレイに処分しといたぞ、と。あとは、あんたを始末したら仕舞だが、ヒロインが殺さなかったことに免じて、今回は見逃してやる。けど次やったら、ありとあらゆる手段であんたを苦しめて、殺してくれって泣き喚いてから殺す。わかったか?」
レノは一切殺気を隠すことなく、男に言った。
「タークスなめんなよ」
男はそれが脅しなどではなく、約束を破ったときに訪れる確実な未来であると理解したようだ。レノはその様子を満足そうに眺めると、男の肩を叩いて立ち上がった。
裏路地を出たところでヒロインが待っていた。
「何してたの?もう無理!お腹減った!」
ヒロインは待ちくたびれたとレノに不満を訴えた。待っていたのはほんの2-3分だと思うが、ヒロインには耐えられない時間だったらしい。そういえば、お腹が減ったと行ってコンビニに向かったのを思い出した。
「そういや、コンビニで何も買わなかったのか?」
そう尋ねると、ヒロインがはっとした顔をした。
「買ったビールどっかに置いてきた…」
「どっかってどこだよ…」
肝心なところで、ヒロインは抜けている。必死に思い出そうとしているようだが、もし思い出したとしても、捨てられているか拾われているかだろう。
「いい時間だし、飯でも行くか」
「賛成!焼き肉!ビール!」
切り替えが早いのはヒロインのいいところではあるのだが、すっかり振り回されている。
レノは苦笑しつつ、行きつけの焼肉屋に向かって歩くヒロインを追いかけた。
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