サヨウナラ、ハジメマシテ
ヒロイン
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場所を再度確認したレノは、薄寒いものを感じた。
偶然なのか?それともーー
「まさか…」
そういえば、彼の身長は、彼女と同じぐらいではないか?
髪や目の色はどうとでもなる。
それにあの手。グローブ越しではあったが、男性にしては華奢な手だった。
「ヒロイン、生きてるのか…?」
レノは今は広場になっている爆破現場に足を踏み入れた。赤い点は、その広場の奥を指している。注意深く、気配を探りながら進む。
もし、ヒロインが生きているならば…
レノはロッドを抜き、きつく握りしめた。
ヒロインにはスパイの疑いがあった。確実な証拠はなかったが、その証拠を集めていたのがレノの彼女だった。
彼女はあの日、ヒロインと話すと言っていた。
そして、帰らぬ人となった。
一方のヒロインは、スパイ疑惑が晴れぬままタークスを去った。
そして、真実はわからないままになった。
広場の奥の木立を抜けると、小さな小屋があった。赤い点は、そこを指していた。
小屋に近づこうと一歩踏み出そうとしたとき、足元に一発の銃弾が飛んできた。
「そこで止まれ」
小屋の陰から現れたのは、追っていた男性だった。明るい日差しの中、初めて彼を正面から見た。やはり、よく似ている。
左目を庇うような構えになってはいるが、その隙のない構えもとてもよく似ていた。
見た目や声こそ違うが、もう疑いようがなかった。
「お前、ヒロインだろ」
確信を持って放った問いに対して、彼は不敵に笑った。
「だとしたら?彼女の仇でも取るか?」
『彼女の仇』ーーそう、ヒロインはレノの彼女を射殺した。
あの日、地下駐車場で。
今でもよく覚えている。最後に彼女を抱いたときの冷たさを。怒りで熱く燃えた心を。
しかし、レノには一つわからないことがあった。
なぜ、彼女が先に銃を抜き、そして撃ったか。
その答えを知る人間は、目の前にいる。
「聞きたいことがある」
彼は眉をひそめた。
「あいつが先に銃を抜いた理由、教えてくれよ」
不敵な笑みを崩さなかった彼の顔に、明らかな動揺が走った。それを見逃すレノではない。
「お前、知ってたんだろ?本当はあいつがーー」
「ストップ」
男性は諦めたように溜息を吐くと、銃の構えを解いた。そして、喉元から何やら機械を外した。
「そこまでわかってるなら、もう隠す意味もないな」
その声は、よく知ったヒロインのものだった。
「久しぶり、レノ」
.
偶然なのか?それともーー
「まさか…」
そういえば、彼の身長は、彼女と同じぐらいではないか?
髪や目の色はどうとでもなる。
それにあの手。グローブ越しではあったが、男性にしては華奢な手だった。
「ヒロイン、生きてるのか…?」
レノは今は広場になっている爆破現場に足を踏み入れた。赤い点は、その広場の奥を指している。注意深く、気配を探りながら進む。
もし、ヒロインが生きているならば…
レノはロッドを抜き、きつく握りしめた。
ヒロインにはスパイの疑いがあった。確実な証拠はなかったが、その証拠を集めていたのがレノの彼女だった。
彼女はあの日、ヒロインと話すと言っていた。
そして、帰らぬ人となった。
一方のヒロインは、スパイ疑惑が晴れぬままタークスを去った。
そして、真実はわからないままになった。
広場の奥の木立を抜けると、小さな小屋があった。赤い点は、そこを指していた。
小屋に近づこうと一歩踏み出そうとしたとき、足元に一発の銃弾が飛んできた。
「そこで止まれ」
小屋の陰から現れたのは、追っていた男性だった。明るい日差しの中、初めて彼を正面から見た。やはり、よく似ている。
左目を庇うような構えになってはいるが、その隙のない構えもとてもよく似ていた。
見た目や声こそ違うが、もう疑いようがなかった。
「お前、ヒロインだろ」
確信を持って放った問いに対して、彼は不敵に笑った。
「だとしたら?彼女の仇でも取るか?」
『彼女の仇』ーーそう、ヒロインはレノの彼女を射殺した。
あの日、地下駐車場で。
今でもよく覚えている。最後に彼女を抱いたときの冷たさを。怒りで熱く燃えた心を。
しかし、レノには一つわからないことがあった。
なぜ、彼女が先に銃を抜き、そして撃ったか。
その答えを知る人間は、目の前にいる。
「聞きたいことがある」
彼は眉をひそめた。
「あいつが先に銃を抜いた理由、教えてくれよ」
不敵な笑みを崩さなかった彼の顔に、明らかな動揺が走った。それを見逃すレノではない。
「お前、知ってたんだろ?本当はあいつがーー」
「ストップ」
男性は諦めたように溜息を吐くと、銃の構えを解いた。そして、喉元から何やら機械を外した。
「そこまでわかってるなら、もう隠す意味もないな」
その声は、よく知ったヒロインのものだった。
「久しぶり、レノ」
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