サヨウナラ、ハジメマシテ
ヒロイン
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半年後――
ウォールマーケットに凄腕のガンナーがいると聞き、スカウトのためにレノはウォールマーケットを訪れた。
彼が用心棒をしているというストリップクラブにまずは行ってみることにした。
(そういや、ヒロインと初めて会ったのも――)
当時、ストリップダンサーをしていたヒロインが客に絡まれていたのを助けようとしたのが出会いだった。
そのときは、ヒロインが見事な回し蹴りで客を撃退し、レノの出る幕はなかったが。
「ちょっと、やめてください!」
レノの意識が現実に引き戻る。
声のした方を見ると、ダンサーが酔っ払った客にステージから引き下ろされようとしていた。
「いいじゃねえか!」
無理矢理引っ張られたダンサーが、悲鳴を上げてステージから落下した。
ダンサーの悲鳴に、店内が凍りついた。
そこへ、一人の小柄な男性が現れた。
「お客様、店から出てもらえますか」
少年のような声。だが、有無を言わせない迫力があった。
「なんだ、ガキが」
男性は目を細めると、酔っぱらい客の腹に拳を叩き込んだ。
酔っぱらい客は前に身体を折り、そのまま床に倒れた。
「おい、金抜いて外に捨てとけ」
男性は近くの給仕にそう言うと、奥に引き上げていった。
(へぇ…)
恐らく彼が目当ての人物だろう。体術と度胸も大したものだった。
俄然興味が湧く。
レノは、給仕やダンサーに彼のことを尋ねてみることにした。
すると、彼らは決まってこう言った。
「あいつには関わらないほうがいい」
用心棒以外にも、いろいろと裏の仕事もしているようだ。
ますます気になる。
レノは、彼の実力を試すため、従業員用の出入口の近くで彼が出てくるのを待つことにした。
待つこと数時間。ストリップクラブの看板のネオンが消えた。
それからしばらくして、ダンサー、給仕が外に出てくる。しかし、そこに彼の姿はなかった。
まだ中にいるのだろうか。
注意深く出入口の様子を伺っていると、扉が開いた。そこから現れたのは目当ての彼ではなく、店長と思しき年嵩の男性だった。男性は扉に施錠すると、他の従業員と同じ方向へ帰って行った。
(まさか、見逃したのか?)
タークスを出し抜くとは、見どころがある。レノはにやりと笑い、今日のところは引き上げることにした。
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ウォールマーケットに凄腕のガンナーがいると聞き、スカウトのためにレノはウォールマーケットを訪れた。
彼が用心棒をしているというストリップクラブにまずは行ってみることにした。
(そういや、ヒロインと初めて会ったのも――)
当時、ストリップダンサーをしていたヒロインが客に絡まれていたのを助けようとしたのが出会いだった。
そのときは、ヒロインが見事な回し蹴りで客を撃退し、レノの出る幕はなかったが。
「ちょっと、やめてください!」
レノの意識が現実に引き戻る。
声のした方を見ると、ダンサーが酔っ払った客にステージから引き下ろされようとしていた。
「いいじゃねえか!」
無理矢理引っ張られたダンサーが、悲鳴を上げてステージから落下した。
ダンサーの悲鳴に、店内が凍りついた。
そこへ、一人の小柄な男性が現れた。
「お客様、店から出てもらえますか」
少年のような声。だが、有無を言わせない迫力があった。
「なんだ、ガキが」
男性は目を細めると、酔っぱらい客の腹に拳を叩き込んだ。
酔っぱらい客は前に身体を折り、そのまま床に倒れた。
「おい、金抜いて外に捨てとけ」
男性は近くの給仕にそう言うと、奥に引き上げていった。
(へぇ…)
恐らく彼が目当ての人物だろう。体術と度胸も大したものだった。
俄然興味が湧く。
レノは、給仕やダンサーに彼のことを尋ねてみることにした。
すると、彼らは決まってこう言った。
「あいつには関わらないほうがいい」
用心棒以外にも、いろいろと裏の仕事もしているようだ。
ますます気になる。
レノは、彼の実力を試すため、従業員用の出入口の近くで彼が出てくるのを待つことにした。
待つこと数時間。ストリップクラブの看板のネオンが消えた。
それからしばらくして、ダンサー、給仕が外に出てくる。しかし、そこに彼の姿はなかった。
まだ中にいるのだろうか。
注意深く出入口の様子を伺っていると、扉が開いた。そこから現れたのは目当ての彼ではなく、店長と思しき年嵩の男性だった。男性は扉に施錠すると、他の従業員と同じ方向へ帰って行った。
(まさか、見逃したのか?)
タークスを出し抜くとは、見どころがある。レノはにやりと笑い、今日のところは引き上げることにした。
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