旧拍手小説集
ヒロイン
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Present for You 4
あれから運が悪いことにヒロインとは別任務ばかり。
やっと休みになったと思ったら、もうバレンタイン当日。
逆チョコ、か…
仲直りの印に買ったチョコレートを片手に、俺はヒロインのマンションに向かった。
ピンポーン――
『はい』
「俺」
『レノ!?』
驚いたようなヒロインの声がインターホン越しに聞こえたと思ったら、すぐにドアが開いた。
途端に香る甘い香り――
「どうしたの?」
首を傾げるヒロインに、俺はチョコを渡した。
「何これ?」
「…チョコレート」
「え…逆じゃない?」
「…だから、逆チョコだぞ、と」
ぽかーんと呆けたような顔をしていたヒロインが、ぷっと吹き出した。
「レノが…チョコ…!」
「なぁに笑ってるんだ?」
「だって、想像したら可笑しくて――」
遠慮なしに笑われて、俺は恥ずかしくて、それを誤魔化すためにヒロインを小突いた。
「笑いすぎだぞ、と」
「あ、ごめん。ま、入ってよ。散らかってるけど」
リビングに通され、一番初めに鼻腔を満たしたのは、甘い甘いチョコの香り。
「本当は、レノに渡しに行くはずだったのに…先、越されちゃった」
デートは嫌がられたけど、チョコぐらいはね。
最後の一言がちくりと刺さる。
「…悪かったぞ、と」
でも、うれしかった。
抱き寄せたヒロインは、何よりも甘いチョコの香りがした。
「チョコ、食っちまおうかな」
世界に一つしかない、俺だけのチョコレートを。
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あれから運が悪いことにヒロインとは別任務ばかり。
やっと休みになったと思ったら、もうバレンタイン当日。
逆チョコ、か…
仲直りの印に買ったチョコレートを片手に、俺はヒロインのマンションに向かった。
ピンポーン――
『はい』
「俺」
『レノ!?』
驚いたようなヒロインの声がインターホン越しに聞こえたと思ったら、すぐにドアが開いた。
途端に香る甘い香り――
「どうしたの?」
首を傾げるヒロインに、俺はチョコを渡した。
「何これ?」
「…チョコレート」
「え…逆じゃない?」
「…だから、逆チョコだぞ、と」
ぽかーんと呆けたような顔をしていたヒロインが、ぷっと吹き出した。
「レノが…チョコ…!」
「なぁに笑ってるんだ?」
「だって、想像したら可笑しくて――」
遠慮なしに笑われて、俺は恥ずかしくて、それを誤魔化すためにヒロインを小突いた。
「笑いすぎだぞ、と」
「あ、ごめん。ま、入ってよ。散らかってるけど」
リビングに通され、一番初めに鼻腔を満たしたのは、甘い甘いチョコの香り。
「本当は、レノに渡しに行くはずだったのに…先、越されちゃった」
デートは嫌がられたけど、チョコぐらいはね。
最後の一言がちくりと刺さる。
「…悪かったぞ、と」
でも、うれしかった。
抱き寄せたヒロインは、何よりも甘いチョコの香りがした。
「チョコ、食っちまおうかな」
世界に一つしかない、俺だけのチョコレートを。
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