Dangerous Beauty
ヒロイン
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「痛いいいいいい!」
手に刺さったガラス片を勢いよく抜かれ、ヒロインは悲鳴を上げた。
「自業自得だぞ、と」
レノはもう一つ近くに刺さっていたガラス片をピンセットで摘んだ。
意識をはっきりさせるためにガラス片を握り、それを武器に攻撃するなど無茶がすぎる。
「これにこりたら、しばらく大人しくしとけよ」
あと、一人で飲みに行くのも禁止だとレノが言った。
それを聞いたヒロインが不満げな顔をした。
「飲みに行くのが仕事の後の楽しみなのに!痛っ!」
レノが最後のガラス片を抜いた。
「一人で可哀想なヒロインのために、俺が付き合ってやるぞ、と」
「…そりゃどうも」
ヒロインはわずかに頬を緩めた。
たまには誰かとお酒を飲むのもいいかもしれない。
「なあ、これすごくね?」
引き上げようとした二人の耳に、現場の後始末をしていた神羅兵の会話が飛び込んできた。
「すげーよな、ヒロインさんの一本背負い」
ヒロインとレノは顔を見合わせた。
嫌な予感がする。
「ねえ、何見てるの?」
ヒロインは神羅兵のもつスマートフォンの画面を覗き込んだ。
彼らが見ていたのは、1時間ほど前、裏路地でマスターを投げ飛ばしたヒロインの動画だった。既に視聴数は1万を超えている。さらに動画のコメントには、『いい尻』だの『投げられたい』だの、頭が痛くなる文字が並んでいる。
さーっとヒロインの顔から血の気が引いた。
ツォンが青筋立てて起こっている顔が脳裏に浮かんだ。
「ヒロイン」
レノが後ろで真剣な顔をして立っている。
ヒロインは眉をひそめた。
「俺はここにいなかったことにするぞ、と」
「なにそれずるい!さっき付き合ってくれるって言ったのに!」
「それとこれとは話が別だぞ、と」
レノがにやりと笑った。
そこへ先程の神羅兵がやってきて、動画の続きをレノに見せた。
「あー…ご愁傷さま」
そこにはしっかりとレノも映っていた。
「もう諦めて、二人でツォンさんに怒られよう」
青ざめるレノの腕を引き、ヒロインは車に乗り込んだ。
二人で怒られれば、ツォンの怒りも半分ずつになるだろう。
それに、犯人も捕まえたのだから、そこまで激しく怒られることはないはずだ。
結局、そんな甘い考えは現実になることはなく、ヒロインとレノは深夜にこってりツォンに絞られた。
さらに二人仲良く謹慎を食らい、しばらくは二人で大人しくすごしたとかいないとか。
END
2018/10/30
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手に刺さったガラス片を勢いよく抜かれ、ヒロインは悲鳴を上げた。
「自業自得だぞ、と」
レノはもう一つ近くに刺さっていたガラス片をピンセットで摘んだ。
意識をはっきりさせるためにガラス片を握り、それを武器に攻撃するなど無茶がすぎる。
「これにこりたら、しばらく大人しくしとけよ」
あと、一人で飲みに行くのも禁止だとレノが言った。
それを聞いたヒロインが不満げな顔をした。
「飲みに行くのが仕事の後の楽しみなのに!痛っ!」
レノが最後のガラス片を抜いた。
「一人で可哀想なヒロインのために、俺が付き合ってやるぞ、と」
「…そりゃどうも」
ヒロインはわずかに頬を緩めた。
たまには誰かとお酒を飲むのもいいかもしれない。
「なあ、これすごくね?」
引き上げようとした二人の耳に、現場の後始末をしていた神羅兵の会話が飛び込んできた。
「すげーよな、ヒロインさんの一本背負い」
ヒロインとレノは顔を見合わせた。
嫌な予感がする。
「ねえ、何見てるの?」
ヒロインは神羅兵のもつスマートフォンの画面を覗き込んだ。
彼らが見ていたのは、1時間ほど前、裏路地でマスターを投げ飛ばしたヒロインの動画だった。既に視聴数は1万を超えている。さらに動画のコメントには、『いい尻』だの『投げられたい』だの、頭が痛くなる文字が並んでいる。
さーっとヒロインの顔から血の気が引いた。
ツォンが青筋立てて起こっている顔が脳裏に浮かんだ。
「ヒロイン」
レノが後ろで真剣な顔をして立っている。
ヒロインは眉をひそめた。
「俺はここにいなかったことにするぞ、と」
「なにそれずるい!さっき付き合ってくれるって言ったのに!」
「それとこれとは話が別だぞ、と」
レノがにやりと笑った。
そこへ先程の神羅兵がやってきて、動画の続きをレノに見せた。
「あー…ご愁傷さま」
そこにはしっかりとレノも映っていた。
「もう諦めて、二人でツォンさんに怒られよう」
青ざめるレノの腕を引き、ヒロインは車に乗り込んだ。
二人で怒られれば、ツォンの怒りも半分ずつになるだろう。
それに、犯人も捕まえたのだから、そこまで激しく怒られることはないはずだ。
結局、そんな甘い考えは現実になることはなく、ヒロインとレノは深夜にこってりツォンに絞られた。
さらに二人仲良く謹慎を食らい、しばらくは二人で大人しくすごしたとかいないとか。
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2018/10/30
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