Dangerous Beauty
ヒロイン
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「やっぱ飲みに行ったな…」
一向に繋がらない電話。コール音だけが虚しく響く。
迎えには行かないと言ったものの、家に帰ってから気になって電話をしたらこれである。
レノは電話を切り、大きく溜息をついた。
あの辺りは最近、通り魔が出たりと何かと治安が悪い。
男とどこかにしけこんでいるならともかく――いや、それはそれで気分が悪いが、酔っ払って通り魔に襲われたとあっては、またツォンの雷が落ちる。
「まったく、世話が焼けるぞ、と」
レノは上着を羽織ると、ヒロイン行きつけのバーに向かった。
いつもならまだ開いている時間だが、バーの看板は電気が消えていた。
しかし、中からは何やら激しい物音が聞こえてくる。
レノはロッドを抜くと、警戒しつつ入口の扉を開けた。
「殺してやる!」
言葉を発した主は、バーのマスターだ。
店は荒れ果て、そこかしこに割れたビンやグラスが転がっている。
そして、レノの足元には、下着だけのあられもない姿でマスターを睨みつけるヒロインがいた。
それにしても…
「お前、ヤるときぐらい、エロい下着にしとけよ」
色気もへったくれもない、明らかに動きやすさだけを重視したそれ。
彼氏がいなくなるとこうも手抜きになるのかと、レノはヒロインに呆れた。
「バカ!何をどう誤解したらヤるとかそういう話になんの!」
ヒロインはレノを見上げ、形の良い眉を吊り上げた。
「いや、こういう激しいプレイが好きなのかと」
「エロいことしか考えられないの?」
心底呆れるヒロインに、レノは肩を竦めてみせた。
「で、何をどうしたらこうなったんだ、と」
血まみれの上、顔や体を赤く腫らせたヒロイン。
殺意をむき出しでナイフを構えるマスター。
レノはヒロインに手を差し出した。
ヒロインは左手でレノの手をとると、顔をしかめながら立ち上がった。
「薬飲まされて襲われそうになって、反撃したらキレた」
ふらつくヒロインを支えてやりながら、レノは真っ直ぐマスターを睨みつけた。
ヒロインは強がっているが、傷は深い。特に右掌からの出血と、赤黒く腫れた脇腹の怪我は治療が必要だ。
「レノ、あいつ、最近の通り魔の犯人っぽい」
ここで捕まえる。
そう言いかけたヒロインの体が傾いだ。
するりとレノの腕をすり抜け、ヒロインが床に崩れ落ちる。
それと同時に、奥の方で扉の開く音がした。
「レノ…追って!早く!」
レノはジャケットをヒロインの背にかけると、すぐ戻ると約束して、マスターを追った。
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一向に繋がらない電話。コール音だけが虚しく響く。
迎えには行かないと言ったものの、家に帰ってから気になって電話をしたらこれである。
レノは電話を切り、大きく溜息をついた。
あの辺りは最近、通り魔が出たりと何かと治安が悪い。
男とどこかにしけこんでいるならともかく――いや、それはそれで気分が悪いが、酔っ払って通り魔に襲われたとあっては、またツォンの雷が落ちる。
「まったく、世話が焼けるぞ、と」
レノは上着を羽織ると、ヒロイン行きつけのバーに向かった。
いつもならまだ開いている時間だが、バーの看板は電気が消えていた。
しかし、中からは何やら激しい物音が聞こえてくる。
レノはロッドを抜くと、警戒しつつ入口の扉を開けた。
「殺してやる!」
言葉を発した主は、バーのマスターだ。
店は荒れ果て、そこかしこに割れたビンやグラスが転がっている。
そして、レノの足元には、下着だけのあられもない姿でマスターを睨みつけるヒロインがいた。
それにしても…
「お前、ヤるときぐらい、エロい下着にしとけよ」
色気もへったくれもない、明らかに動きやすさだけを重視したそれ。
彼氏がいなくなるとこうも手抜きになるのかと、レノはヒロインに呆れた。
「バカ!何をどう誤解したらヤるとかそういう話になんの!」
ヒロインはレノを見上げ、形の良い眉を吊り上げた。
「いや、こういう激しいプレイが好きなのかと」
「エロいことしか考えられないの?」
心底呆れるヒロインに、レノは肩を竦めてみせた。
「で、何をどうしたらこうなったんだ、と」
血まみれの上、顔や体を赤く腫らせたヒロイン。
殺意をむき出しでナイフを構えるマスター。
レノはヒロインに手を差し出した。
ヒロインは左手でレノの手をとると、顔をしかめながら立ち上がった。
「薬飲まされて襲われそうになって、反撃したらキレた」
ふらつくヒロインを支えてやりながら、レノは真っ直ぐマスターを睨みつけた。
ヒロインは強がっているが、傷は深い。特に右掌からの出血と、赤黒く腫れた脇腹の怪我は治療が必要だ。
「レノ、あいつ、最近の通り魔の犯人っぽい」
ここで捕まえる。
そう言いかけたヒロインの体が傾いだ。
するりとレノの腕をすり抜け、ヒロインが床に崩れ落ちる。
それと同時に、奥の方で扉の開く音がした。
「レノ…追って!早く!」
レノはジャケットをヒロインの背にかけると、すぐ戻ると約束して、マスターを追った。
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