仮面の女
ヒロイン
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ドレスとタキシードを購入し、ヒロインに連れられたどり着いたのは、街の外れの古びた小さな劇場だった。
もう長らく使われていないのだろう。客席や舞台には白い埃が積もっていた。
舞台脇を抜けた先、通路の突き当たりにある扉を、ヒロインが開けた。
「少し散らかっていますけど」
ヒロインに促され、レノは部屋に入った。
ふわりと甘い匂いがレノの鼻孔をくすぐった。
明るくなった部屋を見渡し、レノは目を丸くした。
そこには色とりどりの衣装や靴、宝飾品やウィッグが並んでいた。
まるで、楽屋か控室のよう。
「さ、着替えましょうか」
ヒロインは買ったドレスを袋から取り出し、ドレスを入口側、タキシードを部屋の奥にあるハンガーラックにそれぞれかけた。
「部屋、ここしかないので…先輩、いいって言うまで、こっち見ないでくださいね」
レノは状況を掴めないまま、ヒロインに言われたとおり、入口側に背を向けて着替えた。
「おまたせしました。先輩も、着替え終わりました?」
「ああ」
振り返ると、ドレスを来て見違えるようになったヒロインが立っていた。
しかし、髪も顔もいつものまま。とても令嬢には見えなかった。
ただ、着痩せするタイプなんだな、とレノは思った。
(意外と、女らしいところもあるんだな…)
レノの不躾な視線に気づいたのか、ヒロインが恥ずかしそうに、少しばかり体の向きを変えた。
「さ、先輩の仕上げしないと。こっち、座ってください」
ヒロインがドレッサーの前に置いてある椅子を引き、レノに座るよう促した。
「先輩の赤毛は目立ちますから。地味なウィッグですけど、我慢してくださいね」
そう言うと、ヒロインは並べられていたウィッグから、黒の短髪のものを選び、レノにかぶせた。
流れるような手付きで器用に赤毛を隠し、ウィッグを整えていく。
ものの数分で、ヒロインはレノを何の特徴のない男に変身させた。
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もう長らく使われていないのだろう。客席や舞台には白い埃が積もっていた。
舞台脇を抜けた先、通路の突き当たりにある扉を、ヒロインが開けた。
「少し散らかっていますけど」
ヒロインに促され、レノは部屋に入った。
ふわりと甘い匂いがレノの鼻孔をくすぐった。
明るくなった部屋を見渡し、レノは目を丸くした。
そこには色とりどりの衣装や靴、宝飾品やウィッグが並んでいた。
まるで、楽屋か控室のよう。
「さ、着替えましょうか」
ヒロインは買ったドレスを袋から取り出し、ドレスを入口側、タキシードを部屋の奥にあるハンガーラックにそれぞれかけた。
「部屋、ここしかないので…先輩、いいって言うまで、こっち見ないでくださいね」
レノは状況を掴めないまま、ヒロインに言われたとおり、入口側に背を向けて着替えた。
「おまたせしました。先輩も、着替え終わりました?」
「ああ」
振り返ると、ドレスを来て見違えるようになったヒロインが立っていた。
しかし、髪も顔もいつものまま。とても令嬢には見えなかった。
ただ、着痩せするタイプなんだな、とレノは思った。
(意外と、女らしいところもあるんだな…)
レノの不躾な視線に気づいたのか、ヒロインが恥ずかしそうに、少しばかり体の向きを変えた。
「さ、先輩の仕上げしないと。こっち、座ってください」
ヒロインがドレッサーの前に置いてある椅子を引き、レノに座るよう促した。
「先輩の赤毛は目立ちますから。地味なウィッグですけど、我慢してくださいね」
そう言うと、ヒロインは並べられていたウィッグから、黒の短髪のものを選び、レノにかぶせた。
流れるような手付きで器用に赤毛を隠し、ウィッグを整えていく。
ものの数分で、ヒロインはレノを何の特徴のない男に変身させた。
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