小さなプライド、大きな手
ヒロイン
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ツォンさんが外出すると、オフィスにいたメンバーは、皆一様に『気にするな』と言った。
気遣ってくれるのが嬉しくて、思わず泣きそうになる。
でも、私は無理に笑ってみせた。
「ありがとう。私なら、大丈夫」
そう言って。
皆の前では泣けない。
どんなに悲しくても、悔しくても。
弱さを曝け出すのは、一人の時だけ。
始末書を書くのは、一向に捗らなかった。
定時を過ぎ、一人、また一人と帰っていく。
21時を回る頃には、オフィスに誰もいなくなった。
レノもまだ、戻らない。
私のせいだ。
私が失敗しなければ、レノの手を煩わせずに済んだ。
もし、レノが怪我をしていたら、どうしよう。
それも、私のせい。
無力で、迷惑ばかりかけて、役立たずで――
自分の腑甲斐なさが許せない。
弱さが許せない。
悔しい。
そう思い出したら、皆がいる間我慢していた涙が、堰を切って溢れだした。
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気遣ってくれるのが嬉しくて、思わず泣きそうになる。
でも、私は無理に笑ってみせた。
「ありがとう。私なら、大丈夫」
そう言って。
皆の前では泣けない。
どんなに悲しくても、悔しくても。
弱さを曝け出すのは、一人の時だけ。
始末書を書くのは、一向に捗らなかった。
定時を過ぎ、一人、また一人と帰っていく。
21時を回る頃には、オフィスに誰もいなくなった。
レノもまだ、戻らない。
私のせいだ。
私が失敗しなければ、レノの手を煩わせずに済んだ。
もし、レノが怪我をしていたら、どうしよう。
それも、私のせい。
無力で、迷惑ばかりかけて、役立たずで――
自分の腑甲斐なさが許せない。
弱さが許せない。
悔しい。
そう思い出したら、皆がいる間我慢していた涙が、堰を切って溢れだした。
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