小さなプライド、大きな手
ヒロイン
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「何をやっているんだ、お前は」
オフィスを凍らせる氷点下の声音。
それは例外なく、私自身も凍り付かせた。
さらに、声の主――主任のツォンさんの無感情な視線が私に向けられる。
真っ直ぐその視線を受けとめられず、私は下を向いた。
悔しくて、今にも零れ落ちそうな涙を堪えるには、上を向いていた方が楽だが、できなかった。
私が犯した小さなミスのせいで作戦が失敗したのに、顔なんて上げられるはずがなかった。
淡々としたツォンさんの叱責は、怒鳴られるより堪えた。
そして、止めに等しい一言で、それは終わった。
「後始末はレノがしている。ヒロインは始末書を書いて、提出するように。それから――1週間の謹慎を命じる」
レノが、後始末。
始末書の提出。
1週間の謹慎。
どれも最悪だった。
中でも一番最悪なのが――
(よりによって、レノが…)
私はがっくり項垂れたまま、自席に戻った。
.
オフィスを凍らせる氷点下の声音。
それは例外なく、私自身も凍り付かせた。
さらに、声の主――主任のツォンさんの無感情な視線が私に向けられる。
真っ直ぐその視線を受けとめられず、私は下を向いた。
悔しくて、今にも零れ落ちそうな涙を堪えるには、上を向いていた方が楽だが、できなかった。
私が犯した小さなミスのせいで作戦が失敗したのに、顔なんて上げられるはずがなかった。
淡々としたツォンさんの叱責は、怒鳴られるより堪えた。
そして、止めに等しい一言で、それは終わった。
「後始末はレノがしている。ヒロインは始末書を書いて、提出するように。それから――1週間の謹慎を命じる」
レノが、後始末。
始末書の提出。
1週間の謹慎。
どれも最悪だった。
中でも一番最悪なのが――
(よりによって、レノが…)
私はがっくり項垂れたまま、自席に戻った。
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