手は繋ぐためにあるんだよ
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その血に染まった手すら愛しい。
手は繋ぐためにあるんだよ
ヒロインの手は、俺の手ですっぽり包み込めるぐらい小さい。
そして、白くて綺麗だった。
俺は、そのヒロインの手に指を絡め、繋がっているのが好きだった。
手を取れば、ヒロインは必ず握り返してくれた。
だから俺も、ぎゅっとその手に力を込めた。
離したくなかった。
離すべきじゃなかった。
最期に握ったヒロインの手は、赤かった。
そして、冷たかった。
指を絡めても、握っても、握り返してくれることはなかった。
「ヒロイン、手繋ぐ相手、いなくなっちまったぞ、と」
血が洗い流され、再び白さを取り戻したヒロインの手は、白かった。
しかし、その白さは、死を迎えた証だった。
俺は、その手を握らなかった。
「手は繋ぐためにある、か」
じゃあ、繋ぐ相手のいなくなった手は、どうしたらいい?
教えてくれよ、ヒロイン――
END
2008/12/09
.
手は繋ぐためにあるんだよ
ヒロインの手は、俺の手ですっぽり包み込めるぐらい小さい。
そして、白くて綺麗だった。
俺は、そのヒロインの手に指を絡め、繋がっているのが好きだった。
手を取れば、ヒロインは必ず握り返してくれた。
だから俺も、ぎゅっとその手に力を込めた。
離したくなかった。
離すべきじゃなかった。
最期に握ったヒロインの手は、赤かった。
そして、冷たかった。
指を絡めても、握っても、握り返してくれることはなかった。
「ヒロイン、手繋ぐ相手、いなくなっちまったぞ、と」
血が洗い流され、再び白さを取り戻したヒロインの手は、白かった。
しかし、その白さは、死を迎えた証だった。
俺は、その手を握らなかった。
「手は繋ぐためにある、か」
じゃあ、繋ぐ相手のいなくなった手は、どうしたらいい?
教えてくれよ、ヒロイン――
END
2008/12/09
.
1/1ページ