意地っ張りの恋愛譚
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ただいま、と…って、ヒロインだけか」
任務を終え、戻ってきたレノが言った。
ヒロインは読んでいた雑誌を閉じ、顔を上げた。
「お帰り。皆、とっくに帰ったわよ」
一瞬、レノがつまらなそうな顔をしたのをヒロインは見逃さなかった。
「残念ね。新人の子も帰ったわ」
ヒロインはくすくすと笑った。
「別に、関係ないぞ、と」
関心がないような口振りだったが、実は残念で仕方がないのだろう。
レノがぶっきらぼうな言い方をするときは、大抵図星のときだ。
レノの考えは手に取るようにわかる。
「じゃあ、私も帰るわ」
ヒロインはパソコンの電源を落とし、カバンを持った。
「何だよ、待っててくれたんじゃないのか?」
レノが口を尖らせた。
「仕事が残ってただけよ」
ヒロインはレノに向かって軽く手を振った。
すると、レノがその手を掴んだ。
突然のことに驚いたヒロインだったが、それも一瞬のこと。
レノの不可解な行動に眉をひそめた。
「…何?」
「たまには飯でもどうかと思って」
そんなことを言うために、手を掴む必要はないだろう。
ヒロインは繋がった手に視線を向けた。
(レノとご飯、か…)
レノの行動に思うところがあったヒロインは、顔を上げた。
「いいわよ、別に。レノの奢りなら」
「…仕方ないな」
レノがやれやれとばかりに嘆息し、手を放した。
「で、どこ行くんだ?」
「うーん…」
ヒロインは神羅ビル近辺のお店を思い浮べた。
(そういえば、新しいお店ができたとか、雑誌に書いてあったっけ)
先程まで読んでいた雑誌を手に取ってぱらぱら捲り、その店が載っていたページを探す。
「あった!ここ、気になってたの」
ヒロインはページを開いたまま、雑誌をレノに渡した。
「…高いな。ここは彼氏に連れて行ってもらえよ、と」
そう言ってレノが雑誌を突き返してきた。
ヒロインはそれを受け取り、そのまま自分のデスクに置いた。
「…彼氏なんて、2年ほどいないわ」
「…」
レノが困ったように頭を掻いた。
ヒロインは渋るレノの背中を押し、オフィスを出た。
.
任務を終え、戻ってきたレノが言った。
ヒロインは読んでいた雑誌を閉じ、顔を上げた。
「お帰り。皆、とっくに帰ったわよ」
一瞬、レノがつまらなそうな顔をしたのをヒロインは見逃さなかった。
「残念ね。新人の子も帰ったわ」
ヒロインはくすくすと笑った。
「別に、関係ないぞ、と」
関心がないような口振りだったが、実は残念で仕方がないのだろう。
レノがぶっきらぼうな言い方をするときは、大抵図星のときだ。
レノの考えは手に取るようにわかる。
「じゃあ、私も帰るわ」
ヒロインはパソコンの電源を落とし、カバンを持った。
「何だよ、待っててくれたんじゃないのか?」
レノが口を尖らせた。
「仕事が残ってただけよ」
ヒロインはレノに向かって軽く手を振った。
すると、レノがその手を掴んだ。
突然のことに驚いたヒロインだったが、それも一瞬のこと。
レノの不可解な行動に眉をひそめた。
「…何?」
「たまには飯でもどうかと思って」
そんなことを言うために、手を掴む必要はないだろう。
ヒロインは繋がった手に視線を向けた。
(レノとご飯、か…)
レノの行動に思うところがあったヒロインは、顔を上げた。
「いいわよ、別に。レノの奢りなら」
「…仕方ないな」
レノがやれやれとばかりに嘆息し、手を放した。
「で、どこ行くんだ?」
「うーん…」
ヒロインは神羅ビル近辺のお店を思い浮べた。
(そういえば、新しいお店ができたとか、雑誌に書いてあったっけ)
先程まで読んでいた雑誌を手に取ってぱらぱら捲り、その店が載っていたページを探す。
「あった!ここ、気になってたの」
ヒロインはページを開いたまま、雑誌をレノに渡した。
「…高いな。ここは彼氏に連れて行ってもらえよ、と」
そう言ってレノが雑誌を突き返してきた。
ヒロインはそれを受け取り、そのまま自分のデスクに置いた。
「…彼氏なんて、2年ほどいないわ」
「…」
レノが困ったように頭を掻いた。
ヒロインは渋るレノの背中を押し、オフィスを出た。
.
1/3ページ