Sweet Kiss
ヒロイン
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あの日以降、レノは頻繁に医務室に現われるようになった。
「よぉ、ヒロインセンセ」
どこで聞いたのか、私の名前を軽い調子で呼ぶ。
そして、用もないのに居座っていくのだ。
初めは気が気じゃなかった。
初対面であんなことをされたのがトラウマになって、またいつ迫られるのかいつも怯えていた。
しかし、レノはあれ以来私と一定の距離を保っている。
ただ遊びに来て、話して、帰る――それだけ。
初めは迷惑だったのに、いつの間にかレノが来るのは日課になり、私もそれを楽しみにするようになっていた。
「ヒロインセンセ、今日は約束通り八番街のケーキ屋でショートケーキ買ってきたぞ、と」
いつものように15時過ぎにレノがやってきた。
今日は私のリクエスト通り、美味しいと評判のショートケーキを買ってきてくれた。
「ありがと。ちょっと待ってて、コーヒー入れるから」
私はカップを2つ用意し、インスタントコーヒーを入れた。
「本当は美味しいコーヒー入れたかったんだけどね」
「じゃあ今度、美味いコーヒーの店連れてってやるぞ、と」
その何気ないレノの言葉に、私は固まった。
何故ならそれは――
(デート、ってこと!?)
思い当たった一つの結論に、更に心拍数が上昇する。
「あ、その…」
すごく嬉しい。
嬉しいのに、頷きたいのに、素直に言葉が出てこない。
言葉を探しておろおろしている私に、レノが言った。
「あ、悪ぃ。そのー…なんつーか…」
困ったように俯き加減になって、レノが頭を掻いた。
気まずい沈黙。
その後は必死に会話のきっかけを探したが実らず、コーヒーを飲み干すと同時に、見計らったようにレノの携帯が鳴った。
二言三言話していたレノが溜息混じりに電話を切った。
「どうかしたの?」
「ん?あぁ、ミッションの報告だぞ、と」
ミッションの報告?
今日は任務がないって言ってたのに。
「あ、ヒロインセンセ、少し寝かせてもらっていいか?」
そう言ってレノが奥の簡易ベッドを指差した。
「別に構わないけど…」
寝るならタークスの仮眠室の方が上等だと思うけど。
そう思ったが、レノが嬉しそうにベッドに歩いていったので黙っていた。
「変な人」
.
「よぉ、ヒロインセンセ」
どこで聞いたのか、私の名前を軽い調子で呼ぶ。
そして、用もないのに居座っていくのだ。
初めは気が気じゃなかった。
初対面であんなことをされたのがトラウマになって、またいつ迫られるのかいつも怯えていた。
しかし、レノはあれ以来私と一定の距離を保っている。
ただ遊びに来て、話して、帰る――それだけ。
初めは迷惑だったのに、いつの間にかレノが来るのは日課になり、私もそれを楽しみにするようになっていた。
「ヒロインセンセ、今日は約束通り八番街のケーキ屋でショートケーキ買ってきたぞ、と」
いつものように15時過ぎにレノがやってきた。
今日は私のリクエスト通り、美味しいと評判のショートケーキを買ってきてくれた。
「ありがと。ちょっと待ってて、コーヒー入れるから」
私はカップを2つ用意し、インスタントコーヒーを入れた。
「本当は美味しいコーヒー入れたかったんだけどね」
「じゃあ今度、美味いコーヒーの店連れてってやるぞ、と」
その何気ないレノの言葉に、私は固まった。
何故ならそれは――
(デート、ってこと!?)
思い当たった一つの結論に、更に心拍数が上昇する。
「あ、その…」
すごく嬉しい。
嬉しいのに、頷きたいのに、素直に言葉が出てこない。
言葉を探しておろおろしている私に、レノが言った。
「あ、悪ぃ。そのー…なんつーか…」
困ったように俯き加減になって、レノが頭を掻いた。
気まずい沈黙。
その後は必死に会話のきっかけを探したが実らず、コーヒーを飲み干すと同時に、見計らったようにレノの携帯が鳴った。
二言三言話していたレノが溜息混じりに電話を切った。
「どうかしたの?」
「ん?あぁ、ミッションの報告だぞ、と」
ミッションの報告?
今日は任務がないって言ってたのに。
「あ、ヒロインセンセ、少し寝かせてもらっていいか?」
そう言ってレノが奥の簡易ベッドを指差した。
「別に構わないけど…」
寝るならタークスの仮眠室の方が上等だと思うけど。
そう思ったが、レノが嬉しそうにベッドに歩いていったので黙っていた。
「変な人」
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