HEAVEN!
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
天国ってのは、善いことをした人だけが行ける所だと、誰かが言っていた。
俺は無理だろう。
汚れすぎた。
でも、お前なら――
HEAVEN!
白い。
真っ白な部屋。
そこにいるヒロインも、真っ白だ。
嗅ぎ慣れた消毒液のすっとした匂い。
ヒロインも、同じ匂いがする。
なぁ、お前、そんな匂いだったか?
俺が覚えている匂いは、もっと――
「レノ…?」
静かな部屋に響いた擦れ声。
お前、そんな声だったか?
消えていく。
容赦ないスピードで、俺の覚えているヒロインが、消えていく。
次々と上書きされて、残ったのは、目の前にいるヒロイン。
「悪ぃ、起こしちまった…」
横たわり、力なく首を振るヒロインの動作が、俺の胸を締め付ける。
あぁ、もう長くないんだ。
見たくもない現実が突き付けられる。
「ごめんね」
どうして謝るんだ?
ヒロインが謝る必要なんて、ないんだ。
「もう、来なくていいから…」
どうしてそんなこと言うんだ?
俺は傍に――
「あなたに、そんな顔、してほしくないから」
震えながら伸ばされたヒロインの手が、俺の頬に触れた。
冷たい。
でも、これは――
涙?
「私は、笑ってるレノが好き」
そう言って笑ったヒロインの顔は、今までで最高の笑顔だった。
「天国、か」
俺にとっては、どこより遠い場所だ。
あいつは、あの日のように笑えているんだろうか。
いつの日か行けることがあったら、あの日言えなかった言葉をヒロインに言うつもりだ。
「俺も、笑ってるヒロインが好きだぞ、と」
END
2008/01/29
.
俺は無理だろう。
汚れすぎた。
でも、お前なら――
HEAVEN!
白い。
真っ白な部屋。
そこにいるヒロインも、真っ白だ。
嗅ぎ慣れた消毒液のすっとした匂い。
ヒロインも、同じ匂いがする。
なぁ、お前、そんな匂いだったか?
俺が覚えている匂いは、もっと――
「レノ…?」
静かな部屋に響いた擦れ声。
お前、そんな声だったか?
消えていく。
容赦ないスピードで、俺の覚えているヒロインが、消えていく。
次々と上書きされて、残ったのは、目の前にいるヒロイン。
「悪ぃ、起こしちまった…」
横たわり、力なく首を振るヒロインの動作が、俺の胸を締め付ける。
あぁ、もう長くないんだ。
見たくもない現実が突き付けられる。
「ごめんね」
どうして謝るんだ?
ヒロインが謝る必要なんて、ないんだ。
「もう、来なくていいから…」
どうしてそんなこと言うんだ?
俺は傍に――
「あなたに、そんな顔、してほしくないから」
震えながら伸ばされたヒロインの手が、俺の頬に触れた。
冷たい。
でも、これは――
涙?
「私は、笑ってるレノが好き」
そう言って笑ったヒロインの顔は、今までで最高の笑顔だった。
「天国、か」
俺にとっては、どこより遠い場所だ。
あいつは、あの日のように笑えているんだろうか。
いつの日か行けることがあったら、あの日言えなかった言葉をヒロインに言うつもりだ。
「俺も、笑ってるヒロインが好きだぞ、と」
END
2008/01/29
.
1/1ページ