結婚狂騒曲
ヒロイン
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「ついに結婚かぁ」
『結婚』という単語に反応し、イリーナは足を止めた。
色恋話には首を突っ込まずにはいられない質のイリーナは、思わず聞き耳を立てた。
61階のリフレッシュ・フロアには数人しかいない。
イリーナは何気なく辺りを見回し、結婚話をしている相手を探した。
「そんないいもんじゃないわよ、たぶん」
苦笑しながらそう言った女性に見覚えがあった。
(確かレノ先輩の彼女――)
「ヒロインが羨ましいわ」
「そうでもないって」
イリーナはにやける口元を必死で押さえた。
(大スクープ!)
イリーナは一刻も早くオフィスに戻るため、エレベーターホールに向かって駆け出した。
結婚狂騒曲
退屈な八番街警備を終えたレノは、欠伸をしながらオフィスのドアを開けた。
パン!
パン!
突然自分に降り掛かった金銀色とりどりの紙吹雪にレノは目を瞬いた。
「レノ先輩、おめでとうございます!」
イリーナのはしゃぐ声にレノは首を傾げた。
(おめでとうって、今日何かあったか?)
誕生日ではないし、そうでないとしたら一体何なのだろう。
怒られる心当たりは腐るほどあるが――
「もう!何ぼけっとしてるんですか!」
イリーナが頬を膨らませた。
「あ、さては自分でもまだ信じられないとか」
今度はにやつくイリーナに、ますますレノの頭に占める疑問符の割合が高くなる。
「一体何の話だ、と」
「またぁ、とぼけちゃって」
肘で突くイリーナの口元は言いたくてうずうずしている。
「さっさと言えよ」
レノが溜息混じりに促すと、イリーナの顔が一段と弛んだ。
「結婚ですよ!け・っ・こ・ん!」
イリーナの口から飛び出したあまりに突拍子もない単語に、レノはあんぐり口を開けた。
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『結婚』という単語に反応し、イリーナは足を止めた。
色恋話には首を突っ込まずにはいられない質のイリーナは、思わず聞き耳を立てた。
61階のリフレッシュ・フロアには数人しかいない。
イリーナは何気なく辺りを見回し、結婚話をしている相手を探した。
「そんないいもんじゃないわよ、たぶん」
苦笑しながらそう言った女性に見覚えがあった。
(確かレノ先輩の彼女――)
「ヒロインが羨ましいわ」
「そうでもないって」
イリーナはにやける口元を必死で押さえた。
(大スクープ!)
イリーナは一刻も早くオフィスに戻るため、エレベーターホールに向かって駆け出した。
結婚狂騒曲
退屈な八番街警備を終えたレノは、欠伸をしながらオフィスのドアを開けた。
パン!
パン!
突然自分に降り掛かった金銀色とりどりの紙吹雪にレノは目を瞬いた。
「レノ先輩、おめでとうございます!」
イリーナのはしゃぐ声にレノは首を傾げた。
(おめでとうって、今日何かあったか?)
誕生日ではないし、そうでないとしたら一体何なのだろう。
怒られる心当たりは腐るほどあるが――
「もう!何ぼけっとしてるんですか!」
イリーナが頬を膨らませた。
「あ、さては自分でもまだ信じられないとか」
今度はにやつくイリーナに、ますますレノの頭に占める疑問符の割合が高くなる。
「一体何の話だ、と」
「またぁ、とぼけちゃって」
肘で突くイリーナの口元は言いたくてうずうずしている。
「さっさと言えよ」
レノが溜息混じりに促すと、イリーナの顔が一段と弛んだ。
「結婚ですよ!け・っ・こ・ん!」
イリーナの口から飛び出したあまりに突拍子もない単語に、レノはあんぐり口を開けた。
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