It's so Cool!
ヒロイン
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カレー屋に着き、カレーが運ばれてきた途端、ヒロインは満面の笑みでカレーを頬張り始めた。
俺はその向かいでさして美味くもないコーヒーを啜る。
「なぁ、ヒロイン」
「なぁに?」
お腹がいっぱいになって満足したのか、ヒロインは満面の笑みで答える。
ゲンキンな奴。
「…何でもないぞ、と」
俺は溜息を飲み込んだ。
「あ、ヒロインさん!」
俺とヒロインは同時に声のした方に顔を向けた。
こいつは――確か兵器開発部の、ヒロインの後輩の男。
俺は軽く目を細めた。
歓迎してやるつもりはない。
男なら尚更だ。
しかしヒロインは、仕事用のすました顔を作った。
「奇遇ね」
一瞬で『兵器開発部のヒロイン』に早変わり。
さっきまでカレー屋に連れて行けとむくれていたくせに。
ヒロインと男の会話を聞き流しながら、タバコを吹かす。
いつものようにクールな口調とセリフ。
確かに格好いい。
自慢の彼女なんだが――
面白くない。
すごく面白くないぞ、と。
「じゃあまた」
ヒロインのその言葉を合図に、俺は伝票を掴んで店を出た。
帰りの車中、ヒロインが大きな欠伸をした。
「何だ、腹一杯になったから眠いのか?」
「うん」
本当にマイペースな奴だな。
「寝るなよ、と」
「…ん」
そう言いながらも、ヒロインはシートを倒し始めた。
こいつは…!
頑張って目を開こうと努力はしているようだったが、次第に瞼が下りている時間が長くなる。
「ヒロイン、俺一人で運転すんの切ないんだけど」
「う…ん」
がくっとヒロインの首が前に垂れ、そのまま動かなくなる。
ちらっとヒロインの様子を伺うと、軽く口を開けて無防備に眠っていた。
くそ、可愛いな。
これじゃ、怒るに怒れないぞ、と。
「惚れたモンの弱みってやつか…」
ヒロインには振り回されっぱなしだな。
.
俺はその向かいでさして美味くもないコーヒーを啜る。
「なぁ、ヒロイン」
「なぁに?」
お腹がいっぱいになって満足したのか、ヒロインは満面の笑みで答える。
ゲンキンな奴。
「…何でもないぞ、と」
俺は溜息を飲み込んだ。
「あ、ヒロインさん!」
俺とヒロインは同時に声のした方に顔を向けた。
こいつは――確か兵器開発部の、ヒロインの後輩の男。
俺は軽く目を細めた。
歓迎してやるつもりはない。
男なら尚更だ。
しかしヒロインは、仕事用のすました顔を作った。
「奇遇ね」
一瞬で『兵器開発部のヒロイン』に早変わり。
さっきまでカレー屋に連れて行けとむくれていたくせに。
ヒロインと男の会話を聞き流しながら、タバコを吹かす。
いつものようにクールな口調とセリフ。
確かに格好いい。
自慢の彼女なんだが――
面白くない。
すごく面白くないぞ、と。
「じゃあまた」
ヒロインのその言葉を合図に、俺は伝票を掴んで店を出た。
帰りの車中、ヒロインが大きな欠伸をした。
「何だ、腹一杯になったから眠いのか?」
「うん」
本当にマイペースな奴だな。
「寝るなよ、と」
「…ん」
そう言いながらも、ヒロインはシートを倒し始めた。
こいつは…!
頑張って目を開こうと努力はしているようだったが、次第に瞼が下りている時間が長くなる。
「ヒロイン、俺一人で運転すんの切ないんだけど」
「う…ん」
がくっとヒロインの首が前に垂れ、そのまま動かなくなる。
ちらっとヒロインの様子を伺うと、軽く口を開けて無防備に眠っていた。
くそ、可愛いな。
これじゃ、怒るに怒れないぞ、と。
「惚れたモンの弱みってやつか…」
ヒロインには振り回されっぱなしだな。
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