Trick!
ヒロイン
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レノは身体を震わせながら、神羅ビルの入口を見つめていた。
本当は任務後に会った顔馴染みの女性社員とそのままホテルに行くつもりだった。
しかし、別れ際に見せられたヒロインの哀しげに伏せられた顔が頭から離れず、こうして戻ってきた。
そして、寒空の下ヒロインを待って約1時間が経った。
任務が終わってからだと約2時間になる。
それにもかかわらず、ヒロインはまだ現れない。
ビルを見上げても、高層階にあるオフィスはちっとも見えなかった。
「もう帰っちまったかな…」
一人ごちて、白い息を吐き出した。
「さぶっ…」
聞き慣れた声を耳にし、レノは弾かれたように顔を上げた。
ヒロインだ。
間違いない。
相手をしっかりと確認し、レノは足早に近づいた。
「ヒロイン!」
少し離れたところから名前を呼ぶと、ヒロインが足を止め、驚いたように目を大きく見開いた。
しかしそれも一瞬で、すぐに怪訝な顔になった。
「…何か用?」
素直になろう。
自分の気持ちを伝えよう。
そう決めたものの、いざヒロインを前にするといつもの嘲りの言葉しか浮かばない。
言い淀んでいると、ヒロインが警戒するように一歩後ずさった。
「…まだ、からかい足りないの?」
ヒロインが悔しそうに唇を噛んだ。
またヒロインが泣きだしそうな雰囲気に、レノの気持ちが急いていく。
「あ、いや…その…悪かったぞ、と」
やっとのことで絞りだした謝罪の言葉。
でも、本当に伝えたいのは――
「ヒロイン!」
レノはヒロインの両肩に手を置く。
ヒロインが身を堅くする。
レノは大きく息を吸った。
「好きだ!」
ヒロインがぽかんと口を半開きにしたまま、完全に固まった。
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本当は任務後に会った顔馴染みの女性社員とそのままホテルに行くつもりだった。
しかし、別れ際に見せられたヒロインの哀しげに伏せられた顔が頭から離れず、こうして戻ってきた。
そして、寒空の下ヒロインを待って約1時間が経った。
任務が終わってからだと約2時間になる。
それにもかかわらず、ヒロインはまだ現れない。
ビルを見上げても、高層階にあるオフィスはちっとも見えなかった。
「もう帰っちまったかな…」
一人ごちて、白い息を吐き出した。
「さぶっ…」
聞き慣れた声を耳にし、レノは弾かれたように顔を上げた。
ヒロインだ。
間違いない。
相手をしっかりと確認し、レノは足早に近づいた。
「ヒロイン!」
少し離れたところから名前を呼ぶと、ヒロインが足を止め、驚いたように目を大きく見開いた。
しかしそれも一瞬で、すぐに怪訝な顔になった。
「…何か用?」
素直になろう。
自分の気持ちを伝えよう。
そう決めたものの、いざヒロインを前にするといつもの嘲りの言葉しか浮かばない。
言い淀んでいると、ヒロインが警戒するように一歩後ずさった。
「…まだ、からかい足りないの?」
ヒロインが悔しそうに唇を噛んだ。
またヒロインが泣きだしそうな雰囲気に、レノの気持ちが急いていく。
「あ、いや…その…悪かったぞ、と」
やっとのことで絞りだした謝罪の言葉。
でも、本当に伝えたいのは――
「ヒロイン!」
レノはヒロインの両肩に手を置く。
ヒロインが身を堅くする。
レノは大きく息を吸った。
「好きだ!」
ヒロインがぽかんと口を半開きにしたまま、完全に固まった。
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