Which Do You Like?
ヒロイン
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俺は次の日も、同じ5番街の公園に行った。
彼女は昨日と同じように、ゆらりゆらりとブランコを漕いでいた。
「何か用ですか?」
彼女は遠くを見つめたまま言った。
またしてもぶっきらぼうに。
「用件は昨日言ったとおりだぞ、と」
俺は後ろに立ち、ブランコの鎖を掴んでその動きを止めた。
彼女が上を向き、口を尖らせた。
邪魔するなとその目が言う。
「ほら、飲めよ」
取り出した缶コーヒーをぴとっと彼女の頬に当てた。
びくっと一瞬首を竦めたが、彼女はすぐにそれを素直に受け取った。
「…ありがと」
両手で缶を包み込んで暖まっている彼女に倣い、俺も缶コーヒーの熱で暖を取る。
冷えきった指先を暖めたところで、俺はプルタブを引き開けた。
「なぁ、名前は?」
「ヒロイン。あなたは?」
「レノ」
「そう」
全く会話が弾まない。
しばらくは互いに無言でコーヒーをすすった。
横目で様子を伺うと、ヒロインが少し微笑んでいるように見えた。
軽く地面を蹴り、ブランコを動かしている。
それが少し気持ち良さそうに見え、俺もヒロインの真似をしてブランコに座った。
そして、思い切り漕ぎだした。
「うぉっ!」
助走をつけすぎ、その反動で思い切りブランコが振れる。
柵に足を当てそうになり、俺は慌てて足を引っ込めた。
公園のブランコで怪我をしたなんて、笑い話にもならない。
振れ幅が小さくなったところで地面に足を付け、無理矢理ブランコを止めた。
俺がほっと息をついていると、無理に押さえたようなくぐもった笑い声が聞こえてきた。
「…笑ったな」
「だって、タークスのくせに間抜けなんだもん」
ヒロインが目の端にたまった涙を拭った。
「あのなぁ…ま、いいか」
いいこと思いついたぞ、と。
「笑った罰として、タークスに入れよ、と」
「嫌」
急に真顔に戻ったヒロインに、にべもなく断られてしまった。
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彼女は昨日と同じように、ゆらりゆらりとブランコを漕いでいた。
「何か用ですか?」
彼女は遠くを見つめたまま言った。
またしてもぶっきらぼうに。
「用件は昨日言ったとおりだぞ、と」
俺は後ろに立ち、ブランコの鎖を掴んでその動きを止めた。
彼女が上を向き、口を尖らせた。
邪魔するなとその目が言う。
「ほら、飲めよ」
取り出した缶コーヒーをぴとっと彼女の頬に当てた。
びくっと一瞬首を竦めたが、彼女はすぐにそれを素直に受け取った。
「…ありがと」
両手で缶を包み込んで暖まっている彼女に倣い、俺も缶コーヒーの熱で暖を取る。
冷えきった指先を暖めたところで、俺はプルタブを引き開けた。
「なぁ、名前は?」
「ヒロイン。あなたは?」
「レノ」
「そう」
全く会話が弾まない。
しばらくは互いに無言でコーヒーをすすった。
横目で様子を伺うと、ヒロインが少し微笑んでいるように見えた。
軽く地面を蹴り、ブランコを動かしている。
それが少し気持ち良さそうに見え、俺もヒロインの真似をしてブランコに座った。
そして、思い切り漕ぎだした。
「うぉっ!」
助走をつけすぎ、その反動で思い切りブランコが振れる。
柵に足を当てそうになり、俺は慌てて足を引っ込めた。
公園のブランコで怪我をしたなんて、笑い話にもならない。
振れ幅が小さくなったところで地面に足を付け、無理矢理ブランコを止めた。
俺がほっと息をついていると、無理に押さえたようなくぐもった笑い声が聞こえてきた。
「…笑ったな」
「だって、タークスのくせに間抜けなんだもん」
ヒロインが目の端にたまった涙を拭った。
「あのなぁ…ま、いいか」
いいこと思いついたぞ、と。
「笑った罰として、タークスに入れよ、と」
「嫌」
急に真顔に戻ったヒロインに、にべもなく断られてしまった。
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