Which Do You Like?
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「どっちも嫌」
そう彼女は答えた。
むすっとした顔で。
Which Do You Like?
事の始まりは2ヶ月前。
唐突に与えられた任務は、タークス人員のスカウトだった。
「嫌ですよ、と。そんな面倒な仕事――」
「そういう仕事をお前以外に割り振るための任務だ」
おぉ、そういうことか。
ツォンさんにそう言われ、俺は二つ返事でOKした。
でも、よく考えてみれば、そう都合よくタークスになるような人間が見つかるわけない。
上手く言い包められたと気付いたときにはもう遅かった。
仕方なくスラムに向かった俺の目に飛び込んできたのは、男の頭に華麗に回し蹴を決めた女だった。
「ふん、私をナンパしようなんて百年早い」
女は倒れた男に向かって、べーっと舌を出して去っていった。
「おー、いい奴発見!」
スラムに着いて早々ツイている。
これも普段の行いがいいからに違いない。
俺は嬉々として女を追った。
彼女は五番街の公園で気怠そうにブランコを漕いでいた。
他には誰もいない。
俺はゆっくりと近づき、もう一つ空いていたブランコに乗った。
「よぉ、さっき見てたぞ、と」
彼女は顔を上げ、怪訝そうに俺を見た。
近くで見ると、すっげぇ可愛い。
化粧っ気は全くないのにこの美貌。
一目で惚れた。
「誰?」
しかし、ぶっきらぼうな物言いの彼女に、少し面食らう。
綺麗なバラには棘があるってやつだ。
「あー、俺?俺はタークスのレノだぞ、と。あんた、俺と付き合うか、タークスに入るか、どっちがいい?」
彼女はぽかんと口を開けた。
俺が満面の笑みで彼女を見つめると、我に返った彼女はむっとした顔で言った。
「どっちも嫌」と。
そして、ブランコから降りた彼女は、一度も俺を見ずに逃げて行った。
急いて事を仕損じたか。
その日はそれで引き上げた。
.
そう彼女は答えた。
むすっとした顔で。
Which Do You Like?
事の始まりは2ヶ月前。
唐突に与えられた任務は、タークス人員のスカウトだった。
「嫌ですよ、と。そんな面倒な仕事――」
「そういう仕事をお前以外に割り振るための任務だ」
おぉ、そういうことか。
ツォンさんにそう言われ、俺は二つ返事でOKした。
でも、よく考えてみれば、そう都合よくタークスになるような人間が見つかるわけない。
上手く言い包められたと気付いたときにはもう遅かった。
仕方なくスラムに向かった俺の目に飛び込んできたのは、男の頭に華麗に回し蹴を決めた女だった。
「ふん、私をナンパしようなんて百年早い」
女は倒れた男に向かって、べーっと舌を出して去っていった。
「おー、いい奴発見!」
スラムに着いて早々ツイている。
これも普段の行いがいいからに違いない。
俺は嬉々として女を追った。
彼女は五番街の公園で気怠そうにブランコを漕いでいた。
他には誰もいない。
俺はゆっくりと近づき、もう一つ空いていたブランコに乗った。
「よぉ、さっき見てたぞ、と」
彼女は顔を上げ、怪訝そうに俺を見た。
近くで見ると、すっげぇ可愛い。
化粧っ気は全くないのにこの美貌。
一目で惚れた。
「誰?」
しかし、ぶっきらぼうな物言いの彼女に、少し面食らう。
綺麗なバラには棘があるってやつだ。
「あー、俺?俺はタークスのレノだぞ、と。あんた、俺と付き合うか、タークスに入るか、どっちがいい?」
彼女はぽかんと口を開けた。
俺が満面の笑みで彼女を見つめると、我に返った彼女はむっとした顔で言った。
「どっちも嫌」と。
そして、ブランコから降りた彼女は、一度も俺を見ずに逃げて行った。
急いて事を仕損じたか。
その日はそれで引き上げた。
.
1/4ページ