今そこにある危機
ヒロイン
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戦利品を引っ提げ、嬉々として店を出た私に対し、レノはやや青い顔をしてカードの明細を眺めては溜息をついている。
自業自得だし、仕方ないよね。
「レノ、早く!…きゃっ」
どんっと誰かにぶつかり、身体がよろめく。
明らかに後向きに歩いていた私が悪い。
謝罪しようと振り返ったとき、やたら手が軽いことに気付いた。
「あー!引ったくり!」
「何やってんだ!」
レノがすぐさま反応して、逃げ去る男を追う。
私もレノに遅れること数秒、レノが走っていた方へ駆け出した。
「よかった…私の新品のカバンに財布にポーチに――」
男はすぐ捕まえることができた。
そして、またしても神羅兵に後を任せた。
「ご苦労様です。ご協力に感謝します」
そう言われても、どこか虚しい。
「あーあ、なんか疲れちゃった…」
レノも私も、どうしてこうトラブル体質なんだろう。
休みなのに、休みらしく過ごせたことなんてない。
こんなことなら――
「だーから、家でおとなしくしてりゃよかったんだぞ、と」
タバコを吹かしたレノの言葉も溜息混じり。
確かにそうかもしれないけど…
「だって買い物したかったし…」
膨れる私の頭に、レノがそっと手を置いた。
「ま、トラブルはいつものことだけどな。家、帰るか」
今回ばかりは私も素直に頷いた。
「わかった」
戦利品も手に入れたし、今日はもうおとなしくしていよう。
そっと見上げると、何故かレノは満面の笑みだった。
家に帰るのがそんなにうれしいのだろうか。
…
……!
「嫌!やっぱ帰んない!」
「今更遅いぞ、と」
しっかり手を握られ、逃げられない。
「あと18時間はシ放題だな」
「それだけは絶っ対に嫌!」
最大の危機は、今ここにある。
END
2007/10/22
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自業自得だし、仕方ないよね。
「レノ、早く!…きゃっ」
どんっと誰かにぶつかり、身体がよろめく。
明らかに後向きに歩いていた私が悪い。
謝罪しようと振り返ったとき、やたら手が軽いことに気付いた。
「あー!引ったくり!」
「何やってんだ!」
レノがすぐさま反応して、逃げ去る男を追う。
私もレノに遅れること数秒、レノが走っていた方へ駆け出した。
「よかった…私の新品のカバンに財布にポーチに――」
男はすぐ捕まえることができた。
そして、またしても神羅兵に後を任せた。
「ご苦労様です。ご協力に感謝します」
そう言われても、どこか虚しい。
「あーあ、なんか疲れちゃった…」
レノも私も、どうしてこうトラブル体質なんだろう。
休みなのに、休みらしく過ごせたことなんてない。
こんなことなら――
「だーから、家でおとなしくしてりゃよかったんだぞ、と」
タバコを吹かしたレノの言葉も溜息混じり。
確かにそうかもしれないけど…
「だって買い物したかったし…」
膨れる私の頭に、レノがそっと手を置いた。
「ま、トラブルはいつものことだけどな。家、帰るか」
今回ばかりは私も素直に頷いた。
「わかった」
戦利品も手に入れたし、今日はもうおとなしくしていよう。
そっと見上げると、何故かレノは満面の笑みだった。
家に帰るのがそんなにうれしいのだろうか。
…
……!
「嫌!やっぱ帰んない!」
「今更遅いぞ、と」
しっかり手を握られ、逃げられない。
「あと18時間はシ放題だな」
「それだけは絶っ対に嫌!」
最大の危機は、今ここにある。
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