今日は久しぶりの休み…



　一日中家でだらだらしよう。



　最近寒くて、外出るのも億劫だし…



　もう一眠り――










「んっ」



　突然身体に走ったむず痒いような感覚に、私の目は否が応にも開いてしまう。



　一体何よ…



　まだぼーっとしている頭を振り、私は身体を半分起こした。



　それに合わせてついてくる手。



　これは――



「レノ！」



　未だに身体を這う手をばしっと叩くと、レノは手を引いた。



「朝からやめてよ！」



　最悪の目覚めに私の怒りは最高潮。



　それに対して、隣のレノは拗ねたように頭まで布団を被っている。



「今日は休みだからゆっくりするの！」



「休みだから思う存分ヤり「冗談！」



　この万年発情期男め！



　こいつといたら、身体を休めるどころか疲れ果ててしまう。




　すっかり目が覚めてしまった。



　二度寝はできそうにない。



　今は――９時前、か。



「ね、レノ。久しぶりにデートしよ！」



　私はレノの身体を揺り動かした。



　しかし、もぞもぞ動いてやっと出てきたレノの顔はとても不満そうだった。



「この寒い中、外になんか行きたくないぞ、と」



　そう言うと、性懲りもなく私の身体に手を伸ばしてくる。



「俺はベッドの中でヒロインとイチャイチャしてる方が「絶対嫌！」



　私は軽やかにレノの手を躱し、ベッドから出た。



「何、年寄りみたいなこと言ってんの！ほら、起きろ！」



　私は布団を掴んで、問答無用とレノの身体から布団を剥ぎ取った。



「寒い…」



　芋虫のように身体を丸め、捨て犬のような目でレノが私を見る。



　その手に乗るか！



　いつもそれに引っ掛かって、休みに身体を休められなくなってるだから。



　ちょっと可愛いと思った自分の心を戒め、私はわざと無表情を作った。



「だったら一人で出掛けるからいい。あー、何着て出掛けようかな」



「わかった、わかったから！俺も一緒に行く」



　ぐずっていたレノを動かすことに成功し、私は小さくガッツポーズした。



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