旧拍手小説集
ヒロイン
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独り身同士のクリスマス
恋人たちのためのとか、二人きりのとか――そんなありきたりなキャッチフレーズが今年も聞こえてきた。
うざったい季節だ。
独り身はまるで犯罪者扱い。
迷惑極まりない。
街には狂ったように赤、赤、赤!
…バッカみたい。
そして、目の前にも――
「何むくれてんだよ」
煩い赤。
私が赤嫌いになった原因。
「放っといて」
「今年も一人のクリスマスか」
目の前の男は、相変わらずのにやけ面で私をからかう。
今年も一人になったのは誰のせいだ。
去年のクリスマスは、こいつと偶然一緒にいるところを彼氏に目撃されて喧嘩別れ。
今年は、いい感じになりかけたところを邪魔された。
クリスマスなんて、ろくな思い出がない。
バカな風習、消えてなくなれ。
「なぁ、ヒロイン。今年も暇だろ?俺も予定ないし、独り身同士過ごすっていうのは?」
いけしゃあしゃあと、よくそんなことを言えたもんだ。
「あんたとだけは嫌」
「俺はお前じゃないと嫌なんだぞ、と」
「新手の嫌がらせ?」
「いや、本気の告白」
そう言ったレノの目は見たことないぐらい真剣で、柄にもなくドキッとした。
それがなんだか悔しくて、素直に喜べない。
「ま、クリスマスまで私が独り身だったらね」
可愛げのない受け答えをした私に、レノは全てお見通しとばかりに笑って言った。
「そりゃ期待できるな」
「煩い」
.
恋人たちのためのとか、二人きりのとか――そんなありきたりなキャッチフレーズが今年も聞こえてきた。
うざったい季節だ。
独り身はまるで犯罪者扱い。
迷惑極まりない。
街には狂ったように赤、赤、赤!
…バッカみたい。
そして、目の前にも――
「何むくれてんだよ」
煩い赤。
私が赤嫌いになった原因。
「放っといて」
「今年も一人のクリスマスか」
目の前の男は、相変わらずのにやけ面で私をからかう。
今年も一人になったのは誰のせいだ。
去年のクリスマスは、こいつと偶然一緒にいるところを彼氏に目撃されて喧嘩別れ。
今年は、いい感じになりかけたところを邪魔された。
クリスマスなんて、ろくな思い出がない。
バカな風習、消えてなくなれ。
「なぁ、ヒロイン。今年も暇だろ?俺も予定ないし、独り身同士過ごすっていうのは?」
いけしゃあしゃあと、よくそんなことを言えたもんだ。
「あんたとだけは嫌」
「俺はお前じゃないと嫌なんだぞ、と」
「新手の嫌がらせ?」
「いや、本気の告白」
そう言ったレノの目は見たことないぐらい真剣で、柄にもなくドキッとした。
それがなんだか悔しくて、素直に喜べない。
「ま、クリスマスまで私が独り身だったらね」
可愛げのない受け答えをした私に、レノは全てお見通しとばかりに笑って言った。
「そりゃ期待できるな」
「煩い」
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