「なぁ、どっち切ったんだ？」



「何が？」



「赤と黒」



「気になる？」



　レノの期待していること、わかった。



　だから意地悪く笑って、舌を出した。



「秘密」



「なるほど」



　突然、レノが勝ち誇ったように笑った。



「黒、だろ」



「何で？」



　殊更得意げにレノは鼻を鳴らした。



「俺のこと、切りたくなかったから」



　思った通りの解答。



　でも。



「残念、赤でした」



　レノが面白くなさそうに口をへの字に曲げた。



「この腐れ縁、切っちゃおうと思って」



　どっちつかずで中途半端。



「そういえば、レノは何言おうとしたの？」



　レノがいつもの悪戯心丸出しで笑った。



「一歩前に進もうか、って話だぞ、と」



　回りくどくて、いつも遠回り。



「悪くないかも」



　お互い、それはよくわかってる。



「日付、変わっちまったな」



「うん」



　最悪の１週間が終わり、新しい１週間が始まる。




「改めて、今日からよろしく」



END


2007/09/19


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