「そう、前言ってたトコ」



　解体し始めて10分。



　現場から離れたところいにるレノから電話が掛かってきて、今に至る。



「レノの奢りに決まってるでしょ」



　私は２本目のコードを切った。



　爆弾はご丁寧にも振動感知装置やら、サーモスタットやら、ありとあらゆるトラップが仕掛けられている。



　初めは凍らせて、危険のないところまで運ぶつもりだったけど…



「ホント、ツイてないわ」



『何か言ったか、と』



「別に…それより、約束守ってよね」



『あぁ。生きて還ってこれたらな』



　声を押し殺してレノが笑う。



「薄情な奴。死んだら一生とりついてやる」



　私も笑って、そう言った。



　３本目。



『ヒロインなら大歓迎だぞ、と』



「バカね」



　４本目。



　爆弾は着実に無効化されている。



『ヒロイン、戻ったら言っておきたいことあるんだ』



　５本目。



「何、改まって…今言ってよ、これで死んだら死にきれないじゃない」



　ブチ。



　６本目。



　次で最後――



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