灰皿と煙
ヒロイン
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「っは~、食った食った」
身も心も満足して腹をさすっていると、ヒロインがくすっと笑った。
「今日も美味かったぞ、と。ごちそうさま」
「御粗末さまでした」
食器を片付ける手を休め、ヒロインが照れたように笑う。
そのヒロインの顔を見るのが何より好きだ。
ヒロインは食器を流しに運ぶと、そのまま洗い物を始めた。
「おーい」
「何?」
水を止め、ヒロインが顔だけ振り返った。
「食後の一服しないのか?」
いつも後始末の前に吸ってるタバコ。
「あ、タバコ切れたのか?俺のでよけりゃやるぞ、と」
すると、ヒロインの視線が一度上に向き、再度俺に戻った。
「タバコ、止めることにしたの」
「何で?」
「あなたと、長生きしたいから」
そう言ったヒロインは、気恥ずかしそうに笑っていた。
少し頬を赤くして。
俺は左手に持つ、火の付いたタバコに目を遣った。
そこからゆらゆらと立ち上る細い煙。
そいつを見ながら、ちょっと考えた。
「ヒロイン」
「何?」
ヒロインがまた手を止め、振り返る。
「一緒に、長生きしような」
「そうね」
頷いたヒロインは本当に嬉しそうだった。
灰皿、片付けないとな。
END
2007/08/26
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身も心も満足して腹をさすっていると、ヒロインがくすっと笑った。
「今日も美味かったぞ、と。ごちそうさま」
「御粗末さまでした」
食器を片付ける手を休め、ヒロインが照れたように笑う。
そのヒロインの顔を見るのが何より好きだ。
ヒロインは食器を流しに運ぶと、そのまま洗い物を始めた。
「おーい」
「何?」
水を止め、ヒロインが顔だけ振り返った。
「食後の一服しないのか?」
いつも後始末の前に吸ってるタバコ。
「あ、タバコ切れたのか?俺のでよけりゃやるぞ、と」
すると、ヒロインの視線が一度上に向き、再度俺に戻った。
「タバコ、止めることにしたの」
「何で?」
「あなたと、長生きしたいから」
そう言ったヒロインは、気恥ずかしそうに笑っていた。
少し頬を赤くして。
俺は左手に持つ、火の付いたタバコに目を遣った。
そこからゆらゆらと立ち上る細い煙。
そいつを見ながら、ちょっと考えた。
「ヒロイン」
「何?」
ヒロインがまた手を止め、振り返る。
「一緒に、長生きしような」
「そうね」
頷いたヒロインは本当に嬉しそうだった。
灰皿、片付けないとな。
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