女の戦い
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精神的にも落ち着いてきたのを感じ、私はマンションに戻った。
エレベーターが軽快な音と共に止まる。
降り立った私の耳に続いて届いたのは、二度と聞きたくなかった声。
「今日はありがとうございましたぁ」
私は陰に隠れて様子を伺った。
「こっちこそ、飯うまかったぞ、と」
「本当ですか?うれしいですぅ」
バカ。
調子乗らせてどうする。
他愛もない話をしながら、私が隠れているエレベーターホールに二人が近づく。
私は慌ててエレベーターの向かいにある非常階段に身を潜めた。
「あのぉ、レノ先輩?」
「ん、どうしたんだ、と」
「先輩、またご飯作りに来てもいいですか?」
後輩の言葉に、嫌な音を立てて心が軋んだ。
レノは、何て答えるんだろう。
いつもみたいに調子のいいこと、言うのかな。
それは…聞きたくない、かも。
いつも誰かに言っているとしても、今は、聞きたくない。
「ダメだぞ、と」
え?
「どうして――」
「ヒロインの作る飯が一番美味いからだぞ、と」
バカ。
丸聞こえ。
「そんな…私――本気なんです!本気で先輩のこと、好きなんです!」
「そういわれてもな」
「私、先輩のためなら、何でもします!」
…レノ、どうすんの?
「俺のために何でもするなら、もう来るな。ヒロインが嫌がる」
「え…」
「俺にとっての女はヒロインだけだ。張り合うだけ無駄だぞ、と」
…バカ。
本当に、バカ。
全部、聞こえてるのに。
「でも、私諦められません!」
「勝手にしろよ」
ガシャン、とエレベーターの扉が閉まる音がして、一つの足音が遠ざかった。
仕方ないな。
今日のところは、レノに優しくしてやろう。
→おまけ
エレベーターが軽快な音と共に止まる。
降り立った私の耳に続いて届いたのは、二度と聞きたくなかった声。
「今日はありがとうございましたぁ」
私は陰に隠れて様子を伺った。
「こっちこそ、飯うまかったぞ、と」
「本当ですか?うれしいですぅ」
バカ。
調子乗らせてどうする。
他愛もない話をしながら、私が隠れているエレベーターホールに二人が近づく。
私は慌ててエレベーターの向かいにある非常階段に身を潜めた。
「あのぉ、レノ先輩?」
「ん、どうしたんだ、と」
「先輩、またご飯作りに来てもいいですか?」
後輩の言葉に、嫌な音を立てて心が軋んだ。
レノは、何て答えるんだろう。
いつもみたいに調子のいいこと、言うのかな。
それは…聞きたくない、かも。
いつも誰かに言っているとしても、今は、聞きたくない。
「ダメだぞ、と」
え?
「どうして――」
「ヒロインの作る飯が一番美味いからだぞ、と」
バカ。
丸聞こえ。
「そんな…私――本気なんです!本気で先輩のこと、好きなんです!」
「そういわれてもな」
「私、先輩のためなら、何でもします!」
…レノ、どうすんの?
「俺のために何でもするなら、もう来るな。ヒロインが嫌がる」
「え…」
「俺にとっての女はヒロインだけだ。張り合うだけ無駄だぞ、と」
…バカ。
本当に、バカ。
全部、聞こえてるのに。
「でも、私諦められません!」
「勝手にしろよ」
ガシャン、とエレベーターの扉が閉まる音がして、一つの足音が遠ざかった。
仕方ないな。
今日のところは、レノに優しくしてやろう。
→おまけ