女の戦い
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「おかえり。遅かったな、と」
心なしかほっとしたようなレノの様子に、私は眉をひそめた。
わけがわからない。
今すぐレノに詰め寄って、洗い浚い吐かせてやりたいのは山々だったが、私は平静を装った。
この女に取り乱す姿を見せるわけにはいかない。
「あー、今日昼に一緒に飯食ったときに、どーしても飯作るって言って聞かないから作ってもらったんだぞ、と」
そして、何その言い訳。
『どーしても』って、何でそんな強調すんの。
やましいことがあるの見え見え。
すーっと目を細めると、同意を求めるようにレノの視線が女に移る。
「今日お昼ご馳走になったから、そのお礼なんですぅ」
女は気恥ずかしそうに両頬に手を当てた。
レノの顔からは血の気が引いた。
それは私の眉間に皺が寄ったからだろう。
女は私たち二人の様子を知ってか知らずか、さらに話を続ける。
「レノが最近手料理食べてないって言うから、台所お借りしましたぁ」
相変わらずのくねくね動作と、にっこりと笑ったその顔とは対照的な女の言葉の毒に、私の口元が自然にぴくっと引きつった。
仕事ばっかで家事をサボってるとでも言いたいのか。
さらに私の前で「レノ」呼ばわり。
なかなか挑戦的じゃないか。
「そう。それは手間取らせて悪かったわね。えーっと…」
「レノの後輩の後輩です」
「後輩さん、ね。私はヒロイン。仕事も忙しいのに、わざわざありがとう」
余計なお節介だけどね。
「いえ、お安い御用です」
言外にさっさと帰れと言ってみたが、後輩は図太い神経の持ち主らしく、全く動じない。
落ち着け。
ここで取り乱したら負けだ!
私も負けじと笑顔を作ってやった。
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心なしかほっとしたようなレノの様子に、私は眉をひそめた。
わけがわからない。
今すぐレノに詰め寄って、洗い浚い吐かせてやりたいのは山々だったが、私は平静を装った。
この女に取り乱す姿を見せるわけにはいかない。
「あー、今日昼に一緒に飯食ったときに、どーしても飯作るって言って聞かないから作ってもらったんだぞ、と」
そして、何その言い訳。
『どーしても』って、何でそんな強調すんの。
やましいことがあるの見え見え。
すーっと目を細めると、同意を求めるようにレノの視線が女に移る。
「今日お昼ご馳走になったから、そのお礼なんですぅ」
女は気恥ずかしそうに両頬に手を当てた。
レノの顔からは血の気が引いた。
それは私の眉間に皺が寄ったからだろう。
女は私たち二人の様子を知ってか知らずか、さらに話を続ける。
「レノが最近手料理食べてないって言うから、台所お借りしましたぁ」
相変わらずのくねくね動作と、にっこりと笑ったその顔とは対照的な女の言葉の毒に、私の口元が自然にぴくっと引きつった。
仕事ばっかで家事をサボってるとでも言いたいのか。
さらに私の前で「レノ」呼ばわり。
なかなか挑戦的じゃないか。
「そう。それは手間取らせて悪かったわね。えーっと…」
「レノの後輩の後輩です」
「後輩さん、ね。私はヒロイン。仕事も忙しいのに、わざわざありがとう」
余計なお節介だけどね。
「いえ、お安い御用です」
言外にさっさと帰れと言ってみたが、後輩は図太い神経の持ち主らしく、全く動じない。
落ち着け。
ここで取り乱したら負けだ!
私も負けじと笑顔を作ってやった。
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