お前なんて、どーでもいい
ヒロイン
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二人が去ると泣き止みはしたが、ヒロインの震えは一向に収まらない。
「大丈夫か?」
ヒロインは一度も俺と目を合わさない。
「ヒロイン…」
呼んでも、いつものように微笑んでくれない。
「ヒロイン、悪かった」
今度は素直に出た謝罪の言葉も、ヒロインには届かない。
「どうでもいい女、何で助けたの?」
ようやく口を開いたヒロインが発した言葉に、俺の胸が詰まる。
「大勢の内の一人がどうなろうと、関係ないんじゃないの!?」
そうきつく言い放ったヒロインの目には、涙が浮かんでいた。
「これ以上、惨めな思いさせないでよ!」
俺は、何も言い返せなかった。
どうしたらいいのかも、皆目見当がつかない。
ただ、離したくないと思った。
だから、腕の中にいるヒロインを抱き締めた。
「どうして…?」
「離したくない」
ヒロインの表情は見えない。
が、声の震えから動揺しているのが読み取れた。
「今更、そんなこと――」
「ずっと前からだぞ、と」
腕の中にいるヒロインの体温が心地いい。
やっぱり、ヒロインじゃないとダメだ。
「ごめんな、ヒロイン」
謝って済む問題じゃないけど。
すると、ヒロインが小さく首を振った。
「私も…迷惑掛けて、ごめん」
ヒロインが今どんな顔をしてるのかはわからない。
でも、俺の背中に回された手は温かい。
きっとヒロインは、この手でずっと俺を抱き締めてくれる。
END
2007/07/16
.
「大丈夫か?」
ヒロインは一度も俺と目を合わさない。
「ヒロイン…」
呼んでも、いつものように微笑んでくれない。
「ヒロイン、悪かった」
今度は素直に出た謝罪の言葉も、ヒロインには届かない。
「どうでもいい女、何で助けたの?」
ようやく口を開いたヒロインが発した言葉に、俺の胸が詰まる。
「大勢の内の一人がどうなろうと、関係ないんじゃないの!?」
そうきつく言い放ったヒロインの目には、涙が浮かんでいた。
「これ以上、惨めな思いさせないでよ!」
俺は、何も言い返せなかった。
どうしたらいいのかも、皆目見当がつかない。
ただ、離したくないと思った。
だから、腕の中にいるヒロインを抱き締めた。
「どうして…?」
「離したくない」
ヒロインの表情は見えない。
が、声の震えから動揺しているのが読み取れた。
「今更、そんなこと――」
「ずっと前からだぞ、と」
腕の中にいるヒロインの体温が心地いい。
やっぱり、ヒロインじゃないとダメだ。
「ごめんな、ヒロイン」
謝って済む問題じゃないけど。
すると、ヒロインが小さく首を振った。
「私も…迷惑掛けて、ごめん」
ヒロインが今どんな顔をしてるのかはわからない。
でも、俺の背中に回された手は温かい。
きっとヒロインは、この手でずっと俺を抱き締めてくれる。
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