お前なんて、どーでもいい
ヒロイン
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「お前なんて、どーでもいい」
そう思わず言い放ってしまったときのお前の顔が、忘れられない――
きっかけは些細なこと。
女と歩いてるところを見た、とヒロインが俺にいきなり噛み付いてきた。
確かにそれは事実だが、そこまで罵倒される筋合いはない。
「もてるのねー。さすがレノ様、うらやましいわ」
どういう言い争いの末、ヒロインがそう言ったのかは覚えていない。
ただ、そのときはヒロインの言い方がカンに触って、気が付いたら口から言葉が出ていた。
「あぁそうだな。お前も俺に群がってる女のうちの一人だぞ、と」
売り言葉に買い言葉。
ヒロインの顔が引きつる。
勢いづいた俺は、さらにヒロインを貶めようと凶器を振るった。
「お前だって、どうでもいい内の一人だ」
しまった、言い過ぎた。
後悔しても遅い。
俺が投じた刄は、確実にヒロインに突き刺さった。
ヒロインが目を閉じた。
俺の言葉をまだ咀嚼しているかのように、全くヒロインは動かなかった。
ただ、ヒロインが心ない俺の一言に傷ついたのはわかった。
でも、どうしていいか分からない。
慰める?謝る?
ここまで言われて、それでも俺から?
どうしても素直に謝罪する気にならず、俺が次の行動を考えあぐねていると、ヒロインが言った。
「ごめんなさい、邪魔をして」
そう、ヒロインは笑ったんだ。
悔しかったはずなのに。
泣きたいぐらい、心が痛かったはずなのに。
ヒロインがいなくなったのは、それから1時間も経たないうちだった。
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そう思わず言い放ってしまったときのお前の顔が、忘れられない――
きっかけは些細なこと。
女と歩いてるところを見た、とヒロインが俺にいきなり噛み付いてきた。
確かにそれは事実だが、そこまで罵倒される筋合いはない。
「もてるのねー。さすがレノ様、うらやましいわ」
どういう言い争いの末、ヒロインがそう言ったのかは覚えていない。
ただ、そのときはヒロインの言い方がカンに触って、気が付いたら口から言葉が出ていた。
「あぁそうだな。お前も俺に群がってる女のうちの一人だぞ、と」
売り言葉に買い言葉。
ヒロインの顔が引きつる。
勢いづいた俺は、さらにヒロインを貶めようと凶器を振るった。
「お前だって、どうでもいい内の一人だ」
しまった、言い過ぎた。
後悔しても遅い。
俺が投じた刄は、確実にヒロインに突き刺さった。
ヒロインが目を閉じた。
俺の言葉をまだ咀嚼しているかのように、全くヒロインは動かなかった。
ただ、ヒロインが心ない俺の一言に傷ついたのはわかった。
でも、どうしていいか分からない。
慰める?謝る?
ここまで言われて、それでも俺から?
どうしても素直に謝罪する気にならず、俺が次の行動を考えあぐねていると、ヒロインが言った。
「ごめんなさい、邪魔をして」
そう、ヒロインは笑ったんだ。
悔しかったはずなのに。
泣きたいぐらい、心が痛かったはずなのに。
ヒロインがいなくなったのは、それから1時間も経たないうちだった。
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