最高で最悪の相棒
ヒロイン
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その日の午後。
「まだ怒ってんのか?」
「うっさい」
よりにもよって、こんな日にレノと二人で任務だなんて。
最悪だ。
「そんなに怒るなよ、と」
「怒ってない」
そんな問答を繰り返していると。
「いたぞ!」
男の怒鳴り声とこちらへ向かってくる大勢の足音。
「バカ!見つかったじゃない」
何を隠そう、今私たちは反神羅組織に侵入中。
隠密行動のはずが、レノと言い争っていたせいで敵を集めてしまった。
まったくついてない。
「ヒロインが大声出すからだぞ、と」
レノがやれやれと肩を竦めた。
「なに人のせいにしてんのよ」
レノの態度が感に触り、私は眉を吊り上げた。
「おー、怖っ」
わざとらしく身震いするレノがますます気に食わない。
一言言い返してやろうと口を開きかけた途端、銃声がそれを遮った。
そういえば、レノと口論してる場合じゃなかった。
が、言いたいことを言えず、どうもすっきりしない。
邪魔だな、あいつら。
私は小さく舌打ちして、銃を取り出した。
「おっと。ヒロインは後から来いよ」
「何で?」
訳が分からず眉をひそめると、レノが芝居がかった仕草で一礼した。
「弁当の礼だぞ、と」
そう言って片目を瞑ったレノは、電光石火の速さで敵陣に突っ込んでいった。
レノは襲い来る敵を次々と躱し、沈めていく。
もう私の出る幕はないだろう。
こういうときは、頼りになる。
今度はもう少し薄味の卵焼きを作ろう。
紅い尾をなびかせ、優雅に舞う相棒を見て、そんなことを考えた。
END
2006/12/09
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「まだ怒ってんのか?」
「うっさい」
よりにもよって、こんな日にレノと二人で任務だなんて。
最悪だ。
「そんなに怒るなよ、と」
「怒ってない」
そんな問答を繰り返していると。
「いたぞ!」
男の怒鳴り声とこちらへ向かってくる大勢の足音。
「バカ!見つかったじゃない」
何を隠そう、今私たちは反神羅組織に侵入中。
隠密行動のはずが、レノと言い争っていたせいで敵を集めてしまった。
まったくついてない。
「ヒロインが大声出すからだぞ、と」
レノがやれやれと肩を竦めた。
「なに人のせいにしてんのよ」
レノの態度が感に触り、私は眉を吊り上げた。
「おー、怖っ」
わざとらしく身震いするレノがますます気に食わない。
一言言い返してやろうと口を開きかけた途端、銃声がそれを遮った。
そういえば、レノと口論してる場合じゃなかった。
が、言いたいことを言えず、どうもすっきりしない。
邪魔だな、あいつら。
私は小さく舌打ちして、銃を取り出した。
「おっと。ヒロインは後から来いよ」
「何で?」
訳が分からず眉をひそめると、レノが芝居がかった仕草で一礼した。
「弁当の礼だぞ、と」
そう言って片目を瞑ったレノは、電光石火の速さで敵陣に突っ込んでいった。
レノは襲い来る敵を次々と躱し、沈めていく。
もう私の出る幕はないだろう。
こういうときは、頼りになる。
今度はもう少し薄味の卵焼きを作ろう。
紅い尾をなびかせ、優雅に舞う相棒を見て、そんなことを考えた。
END
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